【IDEAストーリー】第6回:コンセプト型シェアハウス・ホテルの企画・プロデュース・運営

マッチング
MATSUMOTO
こんにちは。イデア・クリエイションの松本泰二です。
IDEAストーリー

起業家のストーリーを追体験してもらおうという無料のインタビューサイトです。

このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

 

本日のIDEAストーリー。ゲストは、株式会社 彩ファクトリー 代表取締役社長 内野匡裕さんです。内野さん、宜しくお願い致しまします。

内野社長
宜しくお願いします。

 

御社の自己紹介の方をお願いします。

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内野社長
弊社はコンセプトシェアハウスという事業を展開しておりまして、今、東京、横浜、京都、福岡に16棟400室を展開している会社です。

従来の節約のために住むシェアハウスというのは、とても有名になったんですけども、コンセプトシェアハウスというのは、何か目的を持って、そこに同じ目的を持つ方々が集まって、相乗効果を作って行くために、あえて集まって住む新しいタイプのシェアハウスなんですね。

例えば、弊社の場合は、四つのコンセプトがありまして、一つが起業家。起業済みの方、起業準備中の方が集まって、そこで質の高い情報交換をしあったりですとか、人材を紹介しあったりですとか、お互いの事業プランについて遠慮なく言い合って、早い段階で洗練させていくということを目的としたシェアハウスです。

 

もう一つは、英語をコンセプトにしていまして、外国人の方と日本人の方がいて、英会話のレッスンもついていて、共用のラウンジスペースでは、英語で話すチャレンジをしていきましょうというルールになっているので、日常的に1日2時間頑張って英語で話すぞと決めれば、1ヶ月間に60時間トレーニングの時間をキープできると、そういうようなシェアハウスです。

 

もう一つは、浪人生に限定していまして、予備校とタイアップして、毎日シェアハウスの中で予備校の授業が行われて、みんなで難関大学合格を目指そうという浪人生限定のシェアハウスもあります。

 

最後にシングルマザーの方限定で、チャイルドケアのサービスがついているので、シングルマザーの方とお子様がそこになんの遠慮もなく住むことができて、お互いに助け合って、子育ての知見を相談しあいながら暮らして、仕事と子育てを楽しく両立していこうと、そういうコンセプトのシェアハウスを展開しています。

 

 

MATSUMOTO
どれが一番人気があるんですか?
内野社長
どれも万人受けは絶対にしないんですけども、住む人にとってはここしかないという環境を目指して作っているんですね。なので、満足度としてはどこも非常に高いんですけれども、世の中の需要としては英語が一番広いんですよね。

 

MATSUMOTO
そうですよね。
内野社長
はい。今、インバウンドの時代の変化がありまして、日本に来る外国人の旅行者がとても増えてきていて、それに比例して長期で滞在する住まいを探している外国人の方も増えているんですね。同時に、日本人の方も昔は英語を勉強して、海外で暮らしたい、海外で仕事をしたいという方が多かったんですけれども、今では、日本の自分の仕事の中で英語が必要になりました。だから、英語を身につけないといけませんという方が増えたんですね。

例えば、百貨店のショップの店員さんなども、外国人の旅行者のお客さまが増えたので、英語で接客がしたい。だから、英語が必要です。そういう方も増えているのが、ここ最近の大きな流れですね。

 

 

MATSUMOTO
昔はシェアハウスってイメージはあまりなかったんですけど、最近はやっぱり拡大している感じですか。
内野社長
ちょうど5年前くらいはまだ節約のシェアハウスしかなかったんですね。なので、きちんと仕事をして、きちんとした収入があって、一人暮らしを十分にできる方はシェアハウスに住む理由がなかったので、まったく興味を持たれなかったんですね。

それが、ここ数年で、何か目的を持った人同士が、同じ温度感で語り合ったりですとか、そういった場に身を置いた方が早く実現できるという考え方で、すごく注目を浴びています。

 

MATSUMOTO
新たな繋がりとか、出会いよりは、コンセプトに共感して入居する方というのが、やっぱり増えてきているんですか。
内野社長
起業家シェアハウスに住まれている方は、いわゆる、ビジネスマンが会社を辞めて、起業に向けて住まわれていたりですとか、経営歴が20年以上経っていて、年商何十億というような経営者の方が、豪華な暮らしには飽きたので、面白い人に囲まれて、面白い出来事を作っていくような暮らしに興味があるということで、起業家シェアハウスに住まれたりですとか、まったく客層が違う方々が目を向けてくださっていたりします。

 

MATSUMOTO
物件の大家さん側にも結構ニーズがあるような。
内野社長
はい。会社の寮ですとか、学生寮を持たれているオーナーさんから相談が来て、こういうコンセプトシェアハウスに形を変えましょうと弊社が提案して、集客して、運営するというようなビジネスモデルなんですけれども。

オーナーさんとしましては、数十年前のバブルのころに会社の寮が流行って、何十年間会社が借りますという約束をして何億円という投資をして寮を作るんですね。

 

何十年間借りてもらって、そろそろ契約が終わる時期が近づいていて、時代の流れで社員寮に住みたくない社員も多かったりして、会社がもう使いませんとなったときに他に使い道がなくてですね、だいたい老人ホームにするのか、シェアハウスにするのかぐらいしか選択がないんです。中が廊下で繋がっているので、普通のマンションにできない建物なんですね。

そういったときにシェアハウスにすることで、売上がゼロになってしまうところだったのが、シェアハウスとして売上が大きくキープできるということで、オーナーさん側も非常に喜んでいただけるソリューションになっています。

 

 

MATSUMOTO
困っているオーナーさんはいっぱいいるんですか?
内野社長
弊社でも年間100件以上問い合わせがありますね。テレビですとか、新聞ですとか、メディアでも取り上げていただけて、今までインターネットで届かなかったような年配のオーナーさんも知っていただけるようになりました。

最近ですと、100室を超えるような大型の物件のオーナーさんから直接相談がきたりですとか、すごく知っていただけるようになったんだなという実感があります。

 

 

MATSUMOTO
内野さんの方がアイデア・コンセプト考えてというよりは、依頼を受けてから考えるみたいなのが大きい?
内野社長
どちらかというと、そうです。オーナーさまから相談が来て、その建物が持っている、もともとの武器を探すんですね。

この場所だと、このターゲットには生きるかもしれない、例えば、プロの料理人たちのコンセプトにしたら、ここに大型の立派なプロ仕様のキッチンを置いたら生きるかもしれないとか、いろいろなものを掛け合わせてコンセプトを企画していきますので、結構、物件ありきのプランニングだったりします。

 

先程の起業家シェアハウス『x-garden桜台』。こちらの生まれた経緯を教えて下さい

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内野社長
当時それほど立地の良くない建物だったので、一般のシェアハウスにしたときに満室にすることが難しいだろうということで、弊社に相談がありまして、起業家の方々をターゲットとして多少立地が悪かったとしても、そこを自宅兼オフィスにすることで毎日通勤するわけではないですし、ビジネスを立ち上げる助けになる方が、よっぽど重要だという方々向けにすれば、この建物が一番生きるんじゃないかと、そういう企画をさせていただきました。

 

MATSUMOTO
起業家シェアハウスも依頼から生まれたということなんですね。
内野社長
特別なところとしましては、2部屋ですね。部屋をなくして、セミナールームにしたんですね。起業家さんたちがそこで勉強できたり、コワーキングスペースに今はしていまして、プライベートなお部屋の中を、自宅兼オフィスにすることもできるんですけども、コワキングスペースでみんなで集まって、緊張感を持って仕事をするということもできるようにしていますし、お客さんを招いて打合せすることもできるようになっています。

 

週末にはビジネスイベントを開催して、ビジネスプランコンテストですとか、外部のセミナー講師の方をお招きして、ビジネスセミナーを開いたりですとか。

もしくは、もう一つラウンジスペースがありまして、そこで交流パーティを開催したりですとか、何か学びになったり、同じ起業家の仲間を増やせることができるような、そういう企画になっています。

 

MATSUMOTO
現在は何人くらいいるんですか。起業家シェアハウス。
内野社長
全部で40室の建物なんですけども、満室の状況ですね。

 

MATSUMOTO
もう入れないですね。これを聞いている人が「入りたい」と言っても入れない?
内野社長
はい。ただ入れ換わりがありまして、やっぱり事業が上手くいって、都心にオフィスを構えて、その近くに住むので出ますという方も定期的にいらっしゃいますので、だいたい月に一人くらい入れ換わりがありますね。

 

MATSUMOTO
そうなんですか。実際、現在住んでいる人たちはどういう人たちが多いんですか。
内野社長
40人もいると、ほんとに様々でして、国籍も日本人だけでなくて、外国人の方もいらっしゃいますし、日本人の中でも起業済みで、もう既に中国で工場を持っているくらい事業を大きくされているような方が、日本での拠点として借りていらっしゃったりですとか。

他にはITの方も多いですし、その中でもエンジニアの方、フリーのデザイナーの方、マーケッターの方、それから、IT以外でも人材の方、貿易の方、インバウンド系のビジネスの方、ほんとにいろいろな方がいらっしゃって、自分と違うビジネスエリアの方々の生の声を日常的に聞けるので、意外なヒントを貰えるということが好評だったりします。

 

 

起業した人というのはどれくらいいたりするんですか?

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内野社長
だいたいの割合は起業済みの方が3分の1、起業準備中の方が3分の1、もう3分の1の方がベンチャー企業ですとか、大企業の新規事業担当みたいな方で、会社の中で頑張っているんですけれども、スキルアップしたい、事業立ち上げをしていきたいと、そういう方々ですね。だいたいこの分布になっています。
MATSUMOTO
あと事業相談とか、投資家の人もいるみたいな。
内野社長
はい。自分が投資家として投資もしますし、自分自身小さな事業を立ち上げてらっしゃる方も住まれています。あとは、非常にアンテナの高い意欲の高い学生さんが、学生起業したいということで住まれたりしますね。

 

MATSUMOTO
いつごろから始められたビジネスなんですか?
内野社長
ビジネス自体は6年前に立ち上げまして、この起業家シェアハウスは今4年目くらいですね。

 

起業前は何をやられていたんですか?

内野社長
私はもともとはITなんですね。ITを10年間勤めてから、事業立ち上げをしました。大学で情報工学を学びまして、IBMの子会社のITコンサルティングの会社に最初に務めまして、そこで5年間勤めた中で、やっぱり自分で事業を立ち上げたいという気持ちがすごく強まりまして、30歳までに立ち上げたいと思ったときに、そのときは大企業の一つの専門スキルの非常に狭いプロフェッショナルとして仕事をしていたものですから、今の自分が退社をしたときに、事業全体を回せないということを痛感したんですね。

なので、小さな会社でいい、小さな事業でいいので、事業全体を見れる仕事をしてから立ち上げないと、自分には経験不足だということが分かって、生まれたばかりのベンチャー企業に移って、新規事業を担当させてもらって、そのあと会社を作りました。

 

 

 

起業に興味持ったのは何かきっかけがあったんですか?

内野社長
実は、私はちょうど10年前にシェアハウスに住み始めたんですね。当時のシェアハウスといいますと、今のようなデザイナーズとかコンセプトのシェアハウスというのは、まったくなくてですね、いわゆる節約のためだけの存在だったんです。よく安宿と言われていました。

ただ、その安宿がですね、外国人の受け皿になっていたんですね。外国人にとって初期費用が高い、もしくは、家具がついていないので、全部自分で買い揃えないといけない。そういったものというのは来日したばかりの外国人にとっては、非常に敷居が高くてですね。

私がそのときシェアハウスに住んだ理由というのは、当時海外出張などが当たり前の会社だったので、英語力を身につけないといけないけれども、仕事が非常に忙しくて、英会話スクールがやっている時間にはとても帰れない。だったら、外国人がたくさん住んでいるシェアハウスに自分が住んだら身につくんじゃないかと、夜中に1時間でも話すようなトレーニングの時間がキープできるんじゃないかと思ったのが理由で入ったんですよね。

 

 

MATSUMOTO
そういう人にはもってこいですよね。
内野社長
そうなんです。そうしたらですね、半分外国人が住んでいまして、半分日本人が住んでいたんですけれども、日本人の方はほとんど正社員という方がいなかったんですね。だいたいが半年アルバイトをして、半年海外に行くみたいな、普通の人とはまったく違った価値観で仕事をしている、ある意味たくましい方々だったんですね。

そんな中にフリーランスで仕事をしている方もいて、そのときに初めて自分で生計を立てる、独立している人と深く接することができたんです。

それまでは大企業としての生き方しか知らなかったので、その中でいかにうまくやてくかしか見ていなかったんですけども、こういう世界があるんだな、この人は大企業と比べて、得るもの、失っているものあるけれども、その人にとって、これが幸せで、これを選んでいて、社会的には失っているものもあるけれども、とてもこの人は今時点で幸せそうだなと思ったのが、とても刺激的でその人にいい話も悪い話も生の話を全部聞くようにしたんですね。それが私が起業という生き方に興味を持ったきっかけです。

 

 

MATSUMOTO
そこがきっかけで、起業スタートしたと、準備段階に入った感じですね。
内野社長
やはりいろいろ聞く中で、収入が安定しない時期もあるかもしれないけれども、自分でやりたいものを探して、自分で自分の時間を何にどれくらい使うのかを決めることができて、そこにいろんな失敗もあるかもしれないけれども、自分が選んだことだから悔いはないと、悔いのない生き方ができている。

自分のやりたいことを追求していると同じように追求している仲間が自然と集まってくる。そういった方々と次こんなことやったら面白いよね、次こういう時代の変化があって、ここに興味持っているんだ。次はこれを事業化しようかなと、そういうことをやっている日常がきっと大企業よりも幸せなんじゃないかなと思って、30までに会社を作るということを決めました。そのときに自分に足りないものを洗い出して、それを補うためにベンチャー企業に移ったと、そういう流れです。

 

 

MATSUMOTO
起業に興味持ってから、そのシェアハウスに決まるまでは、いろいろ考えて、何のビジネスしようかなというのは結構アイデアがあったりしたんですか。それとも、最初からシェアハウスという。
内野社長
自分がそれまでITだったので、やっぱり自分の持っているものから延長して考えてました。なので、ITの中でいろいろ出会うはずのない人が出会えるようなインターネットの力を活用した様々なマッチングサービスを企画はしていました。

ただ、私もともとITに興味を持った理由というのは、出会うはずのない人が出会って人生が変わるということに価値があると思っていたんですね。シェアハウスに住み始めるようになって、やっぱりそこにもそんな要素があったんですよね。インターネットよりもとても濃密で人生をより大きく変えるエネルギーがあるなということを感じてですね、インターネットよりも面白く感じるようになったんですね。

 

 

MATSUMOTO
それは直接出会っているからみたいな。
内野社長
例えば、異業種交流会で出会うことは簡単ですが、やっぱりそれだけの信頼関係で一緒に事業をしようですとか、なかなかなりにくいですよね。

ただ、一緒に住んで、生活を共にして、共用のスペースで飲み会だったりですとか、イベントを一緒に企画して盛り上げて、こういうイベントのやり方があるんだとか、次こんなことやったら面白いよね、それを形にするみたいな、そういうことをしていたんですけども、そういうことを共にしていると、人となりが完全に分かるんですよね。なんていいますか、同じ釜の飯を食った仲間みたいな、一生の仲間になっていたんです。私も最初は40人のシェアハウスだったんですけども、40人知らない人の中に入るのは、すごい怖いなと思いながら入ったんですけども、1ヶ月も経つと、ほんとにそういう仲になってですね、これって今の日本の社会の中でこんなにエネルギーが生まれる場所ってないなということに感動したんですね。

さらにそれを例えば、起業家シェアハウスのように、なんとしても事業を成功させたいという、ものすごい強い思いを持った人たちだけが40人集まって、となったときにはものすごいエネルギーがさらに生まれるなと思って、そういう場を作らずにはいられないと思って、それを自分の事業のエリアにしました。

 

 

コンセプト型シェアハウス・ホテルの企画・プロデュース・運営/後編

 

株式会社彩ファクトリー 代表取締役社長 内野 匡裕

コンセプト型シェアハウス・ホテルの企画・プロデュース・運営・コンサルティング。私たちの提供する本質的な価値は『感動を創り出す』ということ。