事業を発展させるためにネタを考えますよね。誰もが聞いて膝を叩きたくなるようなネタを出さねば!と肩に力をいれてしまう人が多いと思います。ですが、突拍子もないネタを提示し、実行に移しても、成功した話は聞きません。
もっと、力を抜いて取り組める方法があります。大昔にすでにあったネタを掘り起こす。そのほうがいい結果を残せる希望が持てます。方向転換をして、その景色を眺めてみましょう。仕事がスムーズに進んでいきます。
歴史を振り返る効果とは
大昔には考えられなかったことが現代ではたくさん実現されています。例えば、食品です。食べられる期間が長くなりましたよね。添加物を配合するなどの技術が進んだからです。見た目もどんどんきれいになりました。便利になると同時にその逆の出来事も起こっています。添加物が入っていない食品の増加です。
化粧品業界でも一緒のことが起こっています。化粧品が質を落とさないように防腐剤が使われています。それは医薬品にも使われています。目薬に使われていることがよく知られています。でも、食品同様、防腐剤のないものがやはり出ているのです。
添加物が登場し、その便利さが世の中にどんどん浸透すると、今まで無かったものが人間の体にどのような影響をもたらすかを振り返って考えるようになり、結局、元来の添加物を使わないスタイルに着地したということですね。
同じことが農作物でも言えます。昔の野菜には農薬が使われていませんでした。こちらも同様に元来のやり方を振りかえり、無農薬野菜を流通させる業界が誕生しています。
この元来のやり方に立ち戻る方法論を取ると、「古民家を再生して、人々に懐かしい気持ちになってもらうことで、観光事業の発展につながった」「無駄な看板を取り除き、その街の風情を再び感じることができるようになった」などの計画を実施している場所に気づきます。
何も目新しいことをしているのではないのです。昔の景色や暮らしを振りかえり、いい面を使っているだけなのです。
かつてあったものを学び、自分に馴染ませて提案しよう
地球上に生命が誕生して長い時間が経っているがゆえに、誰も考えたことも見たこともない提案なんてものはありえません。
「かつてあったものを自分の領域に取りこんで当てはめていこう」と覚悟を
決めると、どんどん考えが生まれていきます。
「添加物フリーの化粧品」
「農薬を使わない昔ながらの手法で作ったお野菜」
「無駄な看板を無くして昔の風情を取り戻す」他、
すべてかつての姿に帰っただけです。
誰にでも見える光の部分だけに注目してもいけません。先輩たちの過去の成功や失敗をたどり、このような共通点を探し出しましょう。
「何がどうなれば、成果をあげられるのか」を見つけてください。すばらしい提案の誕生につながります。それがうまくいったら、ぜひ、自分の事業にあてはめて活用してください。
「かつてあった姿に帰る」という手法を色々な場面で応用していきましょう。
お客さんにお礼状を出すとします。あなたはどんなアクションを起こしますか?
カンタンかつスピーディーを重視するのであれば、メールを使うのがいいでしょう。ひな形を作っているなら、宛名をそのお客さんの名前に変えて送ってしまいましょう。
でも、そこでメールじゃなくて手紙を書くんです。メールが世の中で使われる前は、お礼状=手紙でした。パソコンやプリンターのない時代、人は心を込めて一通一通したためたものです。
かつてあった姿のように、ていねいにしたためたものを受け取ったお客さんの気持ちを想像してみてください。あなたと会った時のあの楽しいおしゃべりの続きが書かれているんです。
一瞬で印字された文字は読み捨てられますが、じっくり一文字一文字書かれた手紙はかなりの吸引力を持っています。手紙を書いてくれた人の想いを考えると、しばらく保管しておこうとするでしょう。
印象に残ると、お店に寄りやすくなります。また、手紙に書かれた内容の続きも楽しみにやってきてくれるでしょう。
昔はみんな手書きで手紙をしたためていました。当時は手書きの手紙は珍しくなく、たいして印象に残りませんでした。
今は、「とりあえず、お礼状を早く送る」ことが最優先され、
そのために、電子メール、または、パソコンを使って作られた文章が入った手紙が多くなりました。
だから、「今時、手書きの手紙?!」の「今時」感が人を驚かせるのです。
この受け取った側の嬉しい驚きを導き、目標を達成しているお店はたくさんあります。
考えをなぞらえると、こんなことにたどりつきます。
各分野のいろんなネタが世の中には山ほどあります。何度も利用されてきたものでもいいのです。「成果をあげるために、これは自分にとってどう使えるのだろう」と頭を使えるかどうかが大切なのです。
目的を達成する方法をただ調べて身につけても、ほとんど使えません。かつてあったモノのなかに、あなたの事業にぴったりのものがないか、探すことが大事なのです。