うまくいかない時期に対応策が見えてくる!

マインド(考え方)

From:松本泰二

私たちは、仕事、人間関係あるいは趣味などの日常行動を営む上で、順調に進展している場合には楽しいし、充実感も満たされて余裕が生じ、何事に取り組むにしても前向きな気持ちになります。ところが、思う通りに上手くいかなかったり、失敗したり、トラブルに巻き込まれたり、思い悩んで対処に困ったりすることがあります。

このような場合、ストレス、プレッシャーや不安などの辛い思いを抱くことになります。この思いは,感情面の「痛み」というカテゴリーに入ります。

 

私たちの人生では上手くいく場合よりも上手くいかない場合の方が多いと考えられ、ストレス、プレッシャーや不安などの「痛み」から抜け出そうと思っても却って嵌まってしまうことがあります。

さらに、辛い感情(痛み)が長年抑え込まれたり蓄積されると、当初は目に見えなかった感情が頭痛、肩こりや腰痛などの身体的な痛みあるいは精神的な不安定行動や無意識な異常行動として現れます。

 

「うまくいかない時期」から抜け出すために・・

この対処方法として、昔から言い伝えられている故事・ことわざがヒントになります。例えば、「失敗は成功のもと」は、失敗することによって不具合の原因を追及し改善して再挑戦することにより成功がもたらされることの教えであり、「負けるが勝ち」あるいは「ピンチはチャンス」などのことわざも類似の趣旨です。

また、「七転八起」ということわざもあります。何回失敗してもくじけずに奮闘して立ち上がることですが、上手くいかずに落ち込んでいる際には励みとなる言葉です。

 

これらの故事・ことわざの意味することはもちろんですが、昔から多くの人に語り継がれていること自体が励みになります。すなわち、自分だけでなく昔からみんなが思い悩んで何とか対処していたんだと知ることが落ち込んでいた気持ちを奮い立たせるのです。

 

さらに、大成功した実業家も含蓄のある言葉を残しています。

例えば、ホンダ自動車の創業者である本田宗一郎は「私の現在が成功というのなら、私の過去はみんな失敗が土台づくりをしていることにある。仕事は全部失敗の連続である。」と述べています。

また、ディズニーランドの生みの親であるウォルト・ディズニーは「失敗したからって何なのだ?失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか。」と述べています。

 

さらに、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは「切羽詰まったときにこそ、最高の能力を発揮できる。」あるいは「リスクを追わないのがリスク」などと述べています。また、逆説的に「成功は、最低の教師だ。」とも言っています。

このような名言を目にすると、多少の失敗や障害にぶつかって落ち込んでいることが大したことでないように思われてきて、乗り越えようとする意欲が沸いてきます。

 

「痛み」を「友達」と考える

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上述した様々な故事・ことわざや名言に共通することからは、失敗や障害にぶつかった場合に逃げたり落ち込んだりするのではなく、向き合って上手く付き合うことが暗示されます。つまり、「うまくいかない時期」から抜け出すポイントは「痛み」を「友達」と考えることです。

我々が社会の中で行動していく上で、親子、兄弟、同僚、先輩後輩などの人間関係から逃れることはできず、友達も大事な存在です。

 

友達と言うと、お互いに気心が知れて一緒に遊んだり話したりする仲間で、困ったときには助け合ったり励まし合ったりする関係ですが、場合によっては競争相手になったり憎しみあう関係に変わってしまうこともあります。

また、本来は仲の良い関係なのですが相手の甘えや気の緩みを諫めて能力を発揮させるためにあえて厳しいことを言ったり突き放すようなことをする場合もあります。

 

「痛みは友達」と発想を転換

「痛みは友達」と発想を転換すると、何かを行おうとしても障害にぶつかり、うまくいかずに「痛み」を感じた場合には、友達がアドバイスや警告を発してくれていると認識し、その声に耳を傾けるのです。

 

友達に出会ったと同じように、「痛み」と知り合いになったと考えるのです。そうすると、どうして障害にぶつかったのか、どうすれば克服できるのか等思い巡らすことができ、対応策が見えてくるのです。

また、「友達」が試練を課してくれていると考えれば、それに負けずに頑張ろうとする意欲も沸いてきます。このようにして障害を乗り越えた後は、「友達」に感謝する気持ちも出てきて、「友達」と新たな関係を築くこともできるのです。