カンボジアを中心に、小学校の建設・医療事業・貧困対策の事業/前編
今すぐ会社を辞めて、一緒にカンボジアに学校作る人、大募集
その交流会が、だいたい2時間くらいあるんですけど、5分間だけ時間をくれと。開始して半分くらい経って、1時間くらい経ったときに、パワポとか何も資料なく、ただマイク一つでやりたいこと伝えて、そのときに「今すぐ会社を辞めて、一緒にカンボジアに学校作る人、大募集」と言ったらですね。そのときは誰も手が挙がらなかったんですけど、終わり際に一人、僕やりますよという人が出てきて、ほんとに立ち上げのメンバーの一人の来てもらったやつなんですけど。
企画書を、35、6回出す粘り強さ!
最終的には結構な分厚い企画書になって、向こうが折れたという感じですね。「お前しつこいな」と言われて、「博司、やりたいんだったらやれ、いくらだ」と、「150万、200万、いいや、いいや」、みたいな感じですね。
貧困を脱出するためには?
もっとひどい例になりますと、国連が制定している貧困層の1日1.25ドルかな、1ドル以下の世帯の人たちもカンボジアだけで数万人いるので、その人に向けてということですね。我々の行っている事業というのは、貧困の家庭、貧困の村。
働く、もしくは、起業するための条件として、ベースになるのが二つあるなと思っていて、一つは教育だと思うんですよね。極端な読み書き、そろばんです。それができないと、そもそも何もできないので、もう一つは健康な肉体ですね。病気になってしまったら働けない。なので、うちが手掛けている事業というのは、学校づくりと、去年から始めた医療分野ですね。
まずベースになるためのところを手掛けていこうと。それが安定してきたら、雇用ですとか、起業家支援のようなことも、うちとしてはやらないと思うんですけど、別の団体とかも行っているので、それを組みながらできればなと。
72時間でビジネス作り販売まで!
カンボジア全土で小学校の卒業率が47%??
あと、もう一つは、カンボジアの教育制度自体に、これも賛否両論あるんですけど、小学校の学年上がるのに進級テストがあるんですね。なので、小学校1年生から2年生上がるときに、進級テストがあって、落ちてしまうと、また1年生だと。
それ例えば、9歳、10歳なのに、まだ1年生ですとか、2年生ですとなると、そこでモチベーションがどんどん下がってしまって、そのまま辞めてしまうですとか。
あとは、そもそも学校が教室とかの問題で4年生までしかないとか、5、6年生、教室がありませんとか、授業ができないですとか、理由としては、そのあたりになるのかなとは思うんですけど。貧困と、教育制度と、そもそものハード面での問題ですね。
あと、村全体での意識だったりとか、学校になんとしても通わせようとか、そういう意識が今の親世代が学校に通っていない世代なので、その重要性、学校どのように大事なんだというのを親が言えないんですよね。
それが、校長先生のリーダーシップと責任感かなというのがあって、校長先生自身が、子供たちをなんとしてでも卒業させるんだという思いがあれば、多分運営とか変わってくると思うんですね。ただ、そういうまだまだリーダーシップ論だったりとか、責任感だったりとか、そういった勉強する機会がないので。
起業に興味ある方で、まだなんのビジネスをしたらいいか迷っている方向けに何かアドバイスをお願いします。
何かやるのを探すというよりも、目の前にあるものを全力でやれば、次の展開が見えるし、次の出会いがあると思うので、そこから次のヒントに繋がりますし、その姿、誰か見ていると思うので誰か起業しようと思ったときに声かけられたりとかあると思うんですよね。なので、何気なくとか、中途半端にやるのだけはやめてほしいなと思います。
例えば、医療事業で今、病院作ったんですけど、それの場合は、ビジネスモデル組んでいるので、寄付ではなくて、出資というかたちにしたんですけど、それで合計2,000万円くらいは集まっていますし。全然そんなに使わずに、半分以上は眠っているというか、向こうの定期預金に入っているんですけど。
今後の御社の事業展開だったり、仕事上での夢を教えて下さい。
旅するように働くというのがテーマなので、どこかの国に好きな国があって、困っている人たちがいて、そこを仲間うちと一緒にビジネスモデルを考えて、ワイワイガヤガタ現地の人たちを巻き込みながら、楽しくいろんな国で働けたらいいなというのが考えているところですね。
あと、個人的な目標としては、これまったくやっていることと、話と関係ないんですけど、沈没船を引き上げたいんですね。どうしてもですね、沈没船を引き上げたいなと思っていてですね、金塊が眠っていると思っているんですよ。バミューダ沖かなんかに。
起業を考えている方々へメッセージをお願いします。
すごい大変ですけど、ただ、その結果として、自分の考えたもの、自分の考えた価値を提供して、お客さんが喜んでくれて、そこでまたいろんな広がりが生まれてくるのを1回味わってしまうと、やめられないので。なので、躊躇している人がいるんだったら、勇気を出して飛びこんでもらいたいなというのは、本音ですね。
起業におすすめな本/社長の「1冊」
金がないけど、夢がある。コネはなくても、パワーがある。パンピーだけど、情熱がある。金なし、コネなしのパンピーな若者達の冒険物語。目には決して見えないが、必ず誰でも感じることができる魂の結晶だ。サンクチュアリ設立までのプロセスが明らかに。
NPO法人HERO 代表理事 橋本 博司 1978年生まれ。大学卒業後、飲食店経営、世界一周旅行、大手企業での新卒採用責任者を経て、2011年にNPO法人HEROを設立、カンボジアにおける教育・医療支援事業等を行っている。横浜ビジネスグランプリ2012では途上国の教育を支援するビジネスモデルを発表し、ソーシャル部門優秀賞を受賞。2017年1月までにカンボジアに建設した学校は13校に上り、計4,000人以上の子どもたちが元気に通っている。学校建設を体験できるスタディツアーも開催、海外で活躍したい大学生などから高い人気を得ている。 |