序章

起業

From:松本泰二

こんにちはイデア・クリエイションの松本泰二です。このサイトは、あなたにとってビジネス成功への足掛かりになることを目的として作られています。

まずは、私自身が起業した時の話をさせていただきます。私が起業してからの数年間には、とても困難な場面がたくさんありました。

 

それはひとえに「実際に起業してみないと分からない」事態だったのですが、自分自身では、
起業前に準備は足りていると思っていました。

つまり事前に想定していたことと、実際に起業してからの状況には大きな隔たりがあったのです。

 

そこで思ったことが、起業に際してきちんとした手本になるような教本はないのでは?
ということでした。

少なくとも私には、当時参考にできる教科書のようなものはありませんでした。だからここで私が
今までメンターや先輩経営者から学んだ事、そして私自身で経験したことも併せて詳細に書くこと
で、あなたにも同じような苦境に立たされた時に手助けができるかもしれない、と思いました。

 

今から起業をしようと考えている方、もちろん既に起業されている方に対しても、
少しでも参考になれれば幸いです。

起業の成功率における現実

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サラリーマン生活を辞めて自分で起業しようと考える人は、少なからずいると思います。けれど
成功率はけっこう低いもので、だいたい10%ほどです。

「何を成功とするか」という問題はありますが、失敗、つまり「起業したのに稼げない、または
辞めてしまう」状況に陥る人が90%を占めるということです。

まずは、その理由を分析してみたいと思います。

どうして起業が失敗に終わるのか?

 

割合にして90%もの起業が失敗に終わると知らされて、驚いた人も多いのではないでしょうか?
私自身も、思っていたよりも失敗率が高くて最初は驚きました。

 

どうしてそこまで高い割合で、みなさん失敗してしまうのでしょうか?

それは単純に、準備不足のせいと言うことができます。スポーツになぞらえて考えてみてほしい
のですが、例えばあなたが運動神経抜群だったとしましょう。それならどんな競技でも一発勝負で
良い結果を出せるかというと、そうではないはずです。

競技を練習することは絶対に必要です。

更に詳しいルールを知らなくてはいけませんし、良い結果を出すためのコツを
掴むことも必要です。起業に際しても同じように、専用の準備が必要になります。

ここで私のように「ちゃんと準備したのに」と思う人もいるでしょう。けれど、準備の方向が
違っていたということがありえるのが起業です。

 

もちろん、準備ばかりして行動を起こさないことは大きな問題です。けれど、その競技の
ルールを知らずコツを掴まないままにチャレンジすることは、はっきり言って無謀です。

きちんと専用のトレーニングさえしておけば、運動神経がよければクリアできる障害も多い
はずです。けれどそのトレーニングができていない、そのせいで起業に失敗する人が多く
います。その結果が、起業してもたいていの場合に失敗することになるのです。

 

けれどそれが「起業は難しい」という結論になるかというと、そうではありません。多くの
人が失敗しているからといって、攻略法が一つもないわけではないのです。

きちんと専用のトレーニングをしておく、つまり方向の正しい準備をしておくことで、
起業が成功する確率を高めることは十分に可能です。

 

では、方向の正しい準備とは一体どういうものでしょうか?

これには、多くの人が誤解している経営の本質が関係してきます。経営の本質は、仕事を
することではありません。多くの人が経営=仕事だと捉えていて、「仕事ならサラリーマン時代
にやっていた」という感覚で経営に乗り出していきます。

けれど経営は、人から与えられてやっていたサラリーマン時代の仕事とは質が違います。
あなたが仕事はできたからといって、そのままで経営ができるわけではありません。

 

だから経営をすることに対する専用の準備が必要なのですが、経営=仕事だと考えている人は
その点を疎かにしがちです。新しいことにチャレンジする、という自覚が足りないとも言えるでしょう。

それが準備不足を招きます。

 

更に経営と仕事の違いは、人から与えられて行うという点と、あともう一点あります。それは
仕事があくまで全体の一部分でしかないのに対して、経営は全体そのものだということです。

仕事ができたとは、会社における一部分の役割をうまくこなしていただけに過ぎません。けれど
経営となると、全体を行う必要があるのです。

 

これは実際の職種として、営業を考えてみれば分かりやすいと思います。社内でとても重宝され
ている営業マンがいるとしましょう。彼の営業成績はいつもトップ、会社に与える利益も莫大な額に
及ぶでしょう。

だから会社では、とても優秀な人材だと考えられています。けれどその営業マンが、独立してからも
同じくらい利益を上げることができるかというと、絶対に違います。

 

営業マンはそもそも、商品開発ができません。まず売るべき商品が作れないのです。これで
どうして利益を産むことができるでしょうか?

そして彼は、利益の管理もできません。
資金繰りもできません。

これは大きな弱点ですが、それまでの営業成績に慣れてしまっていると「自分はできる」と
思い込んでしまいます。

 

これに似たことが、起業においても起こりやすいのです。つまり今までは沢山の人と分業して
会社を回していたことに気づいておらず、自分の分担ができていたという点をもって会社その
ものを軽視してしまうことです。

経営となると、自分の分担以外のことも全部行う必要があります。このことが分かっていない
と、起業では失敗してしまいます。起業した時は自分で全てをやる必要がある、まずはこの点を
自覚しておく必要があります。

起業する際のリスクとは?

以前ほどには、起業におけるリスクは高くないと言えるでしょう。資金もそこまで多く必要では
なく、一度失敗したら社会的に終わりというわけではありません。

それでも起業して失敗すると、経済的に困ることは間違いありません。それに自分が好きで
挑戦したことがうまくいかなかったという気持ちの落ち込み、周囲にいる人に迷惑をかけるなど
多くのリスクは以前と変わらずあります。

 

だからみなさんがせっかく起業するなら、失敗するリスクは最低限に抑えてほしいと思います。
それには準備が必要なのです。

起業に対する準備とは?

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では、起業に対して実際に必要な準備について考えてみましょう。それはまず、「成功している人
についてよく知る」ことが大事です。

成功している人が行ったことを知れば、成功の型を知ることができます。これを知っていないと、
困難が降りかかった時に戸惑うことになるでしょう。

自分自身で成功の型を見つけることも大事ですが、攻略法として知っておくべき事例も多くあります。
最初のうちはその事例をなぞっておくだけで、間違いを犯す可能性を低くすることができます。

きちんと経営を起動に乗せることができてから、自分自身の型を見つけようとしても決して遅くは
ありません。最初から自分のオリジナルばかりを求めるのではなく、まずは成功者を真似するところ
から始めてみましょう。

起業で失敗する事例とは?

そして起業で失敗する理由として、自分が何をすればいいのか分からないことが挙げられます。

サラリーマンとは今まで会社の指示通りに動いていた人なので、仕方がないことかもしれません。

けれどさっき書いたように、起業してからは全てを自分で行う必要があります。それなのに、
何をやっていいのか分からない。具体的に明日することのビジョンを持っていない。

そういう人は失敗します。よく考えれば当たり前のことですね。

 

けれど起業する人は、熱い気持ちは人一倍持っています。その気持ちに押されて起業しているので、
根拠のない自信を持って行動しがちです。モチベーションだけは高いので、何でもできる気分に
なっています。

けれど具体的に何をすればいいのか分からないので、失敗するのです。
つまり気持ちだけでは、経営は成り立たないということです。

 

私もこういう状況に陥って苦労したので、あなたにはもっと明確な行動するビジョンを持って
いただきたいと思います。はっきりしたビジョンを持った上で、次のステップは「経営の設計を
する」ことです。

「経営を設計する」とは?

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ここでは、家を建てることを考えてみてください。自分の家を持ちたい、そこでいい暮らしを
したいと思って家を建てる決意をする人がほとんどだと思います。それを起業だと考えてみましょう。

では、家を建てる時に最初にするべきことは何でしょうか?

それは「設計」です。

どういう家を建てるのか、自分が目指す暮らしはどういう家なら実現できるのか、それを
考えることが設計です。同じことを、経営においても最初に行うべきなのです。

どうしてかというと、設計をしないと自分の目標が明確にならないからです。それに、
設計した構想を話すことによって人から信頼してもらえるという利点もあります。

みなさんが家を建てる時、設計図を作ってくれる業者と作ってくれない業者のどちらに
依頼をしたいと思うでしょうか?

設計図を作ってくれない業者のことは、信用できないと思ってしまうのではないでしょうか。
はっきりとしたゴールが設定されていないわけですから、信用する根拠が足りないと考えて
しまうのが自然です。

だから起業してビジネスの相手に信用してもらうためには、それなりの設計図が
必要だというわけです。

まずは道標を知ることから

日本には、古くからいくつか「道」と呼ばれるものがあります。例えば茶道や華道です。
これらの道を知ろうとするには、まず誰かに弟子入りをすることが基本です。

どこかの派閥に属して、自分の師匠を決めます。そして、その師匠の技を教えてもらう、
もしくは見て盗んで成長していきます。

 

最初から自分だけで知ろうとするには、これらの道は奥が深すぎます。だからこそ、道を
実践している人から学ぶことが効率的なのです。

起業に関しても同じことが言えます。まずは実践している人から学んで、できる限り多くを
吸収します。基本を身につけたところで初めて、自分のオリジナルを探っていくことが
できるようになります。

 

基本を何も知らないままに専門家になろうとするのは、無理な話です。まずは
基本に忠実に、これが大切です。

せっかく独力で起業するのにつまらないと思うかもしれませんが、失敗を最小限に
抑えるためにこれほど有効な手段はありません。

私たちから見てオリジナリティに溢れている人にだって、習作は存在します。

 

例えば、作家や画家の習作と呼ばれる作品を見たことはありますか?

誰もがみんな、最初から卓越した技術を持って創作をしていたわけではありません。最初の
数作は人の真似をしたものだったり、出来栄えは普通程度のものだったりするのが自然です。

 

ほんの一握りの天才は違うかもしれませんが、だいたいの人はそうです。それらの作品を
見てみると、基本をちゃんと守っています。

オリジナリティに溢れている創作家でも、決して基本を知らないとかできないわけでは
ないのです。知った上で自分を確立していることが、オリジナリティの重要な点です。

 

基本を知っていて行える上で自分の個性を活かそうとするからこそ、最高傑作を作り出せる
ということです。基本を無視する行為は、起業においては自殺行為だと言えるでしょう。

このことを、みなさんにはしっかりと覚えていてほしいと思います。

 

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