【IDEAストーリー】第3回:子供向けのイベントやアプリコンテンツを企画・制作

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MATSUMOTO
こんにちは。イデア・クリエイションの松本泰二です。
IDEAストーリー

起業家のストーリーを追体験してもらおうという無料のインタビューサイトです。

このサイトでは、これから起業に興味のある方に向けて、成長のサービスを展開されている方、面白いサービス、商品を出されている方、各分野の実績を出されている専門家の方々にインタビューということで、各スペシャリストの方にお話を伺ってしまおうというような内容で、毎週お届けしています。

 

本日のIDEAストーリー。ゲストは、株式会社ピコトン 代表取締役社長 内木広宣さんです。内木さん、宜しくお願い致しまします。

内木社長
宜しくお願いします。

 

会社名の由来は?

MATSUMOTO
会社名である、ピコトン、すごい可愛くて、楽しそうなイメージあるんですけど、この会社の由来というのを教えていただいてよろしいでしょうか。
内木社長
子ども向けのイベントを行っているので、子ども向け専門のコンテンツを作っている会社なので、何かそれに由来のある言葉にしたいなというところから決まりまして、ピコというのが、ナノの下の単位のすごい小さい単位ですね。

トンというのは、1トン、2トンとか、重たいという意味で、子どもたちって小さいけど、想像力ってすごいじゃないですか、なので、小さいけれど、ものすごく大きなものを秘めているということで、ピコトンっていう社名にしています。

 

MATSUMOTO
ありがとうございます。では、簡単に、今どういった事業をされているのかも含めて、ちょっと自己紹介のほうをお願いしてもよろしいでしょうか。

 

自己紹介をお願いします。

内木社長

大きくはですね、二つ行っていまして、子ども向けのキッズイベントのパッケージ販売。それとですね、オリジナルの子ども向けのコンテンツ制作という二つ行っています。

パッケージ販売のほうなんですが、例えば、プラバンとかって、多分、昔遊んだことがあるかなと思うんですが、プラバンでモンスターを作ろうというイベントを作ってですね、プラバンモンスターという、そのままの名前なんですけど、ちょっと厚みのあるプラバンで、モンスターなのでどんな形でもいいんですよね、グチャグチャ書きをしても、それもこんな形かなというのに切って、それを焼いて、最後に目を、目のパーツをつけることで、どんな形でもモンスターになるという、キーホルダーにして持って帰れるというイベントなんですが、焼いても鮮やかな、ちょっと特殊なペンを使っていて、それで小さい子でも作ることができるというイベントですね。

 

 

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MATSUMOTO
いろんなのありますね。
内木社長
そういったイベントが、今20種類以上あるんですけど、例えば、こういうマラカスを作るというイベントもあったりとかですね、こういうのもいろんなパーツを選んで、自分でカスタマイズして作っていくという内容です。

 

何が人気があるんですか?

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内木社長
人気は、グラスガーデンが人気ですかね。これも空のグラスを渡されて、その中に石とか、木の破片とかですね、例えば、カラフルがポプリとか、そういったものを入れていって、自分だけのお庭を作るという内容なんですが。

 

MATSUMOTO
それは楽しそうですね。
内木社長
あとバイキングみたいな感覚で入れていって、手作りのキノコとか、家とかですね、そういったものもパーツとしてあるので、それを入れることでお庭が完成しますよという内容ですね。これは大人にも人気ですね。あとは、一番初めに作ったイベントが、シャッフル塗り絵というイベントなんですが。

 

 

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内木社長
動物のパーツを組み合わせて、不思議な塗り絵が作れるという内容ですね。こういったものを、いろんなところに持っていって、イベントを行っていますね。iPad2台とプリンターと、あとはクレヨンとか、というのを持っていって行うので、iPad2台で、だいたい1日300人くらいが参加できるようなイベントというのを作れます。こういう頭と真ん中と、お尻にパーツを組み合わせて、頭が恐竜で、身体が蛇で、お尻が魚みたいな、ヘンテコな動物を作ることができます。

 

MATSUMOTO
すごいシンプルですよね。
内木社長
像さんの塗り絵とかって渡されると、それを虹色とかで塗っていた子どもがいたら、それを親御さんが「像さんは灰色でしょ」って言っていたりしたんですよ。

でも別に虹色で塗ってもいいじゃないですかというのを見ていて、もうちょっとなんか想像力を発揮する場所というのを作ってあげたいなというところがあって、じゃあ、このヘンテコな動物の塗り絵だったら、何色で塗ってもいいので、特に正解はないので、こういうきっかけ一つあったら、子どもってすごい面白いものを作ってくれるので、それで出来たのが、このシャッフル塗り絵ですね。

 

MATSUMOTO
もっと自由にやってもいいんじゃないのと。
内木社長
それを感覚的に分かるようにしたものですね。

 

MATSUMOTO
そうですよね。感覚的に分かりますもんね。
内木社長
そういった子どもが自由な発想をしている姿を親御さんが見て、「あ、うちの子って、こんなにいろんなこと考えられるんだ」っていう気づきの場になってくれればいいなと思っています。

 

頻度的には毎月やっていたりするんですか。

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内木社長
多いですね。シャッフル塗り絵が、最近これを塗ったあとに、普通にクレヨンで塗ったあとに、もう一度パソコンに取り込んで、画面の中で動き出すという、動くシャッフル塗り絵というイベントにパワーアップしたんですけど、それが出来てからは、すごいいろんなところからお呼びいただいて、先週も飛騨で行ってきたりとか、来週は函館で行っていたりとか。

 

MATSUMOTO
それは企業さんがということですか。
内木社長
ショッピングセンターさんとかが多いですかね。いろんな企業さんからお呼びいただけるんですけど、大型のショッピングセンターさんとかですと、住宅展示場さんとか、ディーラーさんとか、あとは、大きな展示会があるときですね。そういったときにイベントとして、結構動くシャッフル塗り絵になると、集客のメインイベントとして呼んでいただいますね。

 

このビジネスは初めのビジネスですか?

内木社長
シャッフル塗り絵自体は立ち上げたときから作ったので、初めからありました。ただ、もちろん子ども向けのイベント、子ども向けワークショップやりますと言っても、なかなかそれだけでは食べていけなかったので、デザインの仕事はものすごいいっぱいやっていましたね。

 

MATSUMOTO
デザインですか。
内木社長
はい。もともとメンバーがデザインができるメンバーで始めたので、ほんとにポスターのデザインとか、WEBのデザインとか、そういったものを行いつつ、なんとか子ども向けのイベントを増やしていくということを続けていましたね。

 

起業前というのは何をされていたんですか?

内木社長
起業前は、リクルートの制作会社で、RMCというところなんですけど、そこで車の雑誌を作っていました。ディレクターでした。なので、子どもとは全然関係のない職種ですね。

 

MATSUMOTO
昔から起業したいとか、社長になりたいと思っていたタイプなのか、それとも会社時代に何かきっかけがあって、何か起業に興味が出てきたタイプなのかというと。
内木社長
社長になりたいというのは全然思っていないですね。ただ、この子ども向けのワークショップと呼ばれているジャンルを行いたいというのは、大学のときに、東京工芸大学というところのデザイン学科を出ているんですけど、そこでコミュニケーションデザインというのをずっと勉強していて、そのときの子どものアイデアをお化けにするという、そういう研究をしていたんですね。
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MATSUMOTO
子どものアイデアを。
内木社長
お化けにする。

 

MATSUMOTO
お化けにする。

 

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内木社長
はい。子どもからお化けのアイデアを募集して、それをキャラクターにするんですけど、それがキャラクターを募集すると、多分普段あるキティちゃんとか、そういうものがきちゃうので、そうじゃなくて、お化けというなんでもいいものという意味で、お化けを募集したんです。それを募集したら、月に最終的には、100件ぐらい集まるようになってですね。

 

MATSUMOTO
すごい来るんですね。
内木社長
その中から、学生がこれはいいと思ったものを、僕も含めてですね、それをキャラクターを書いていくということをしていたんです。最終的には結構、本にまでなったんですけど。

 

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MATSUMOTO
ほんとだ。『オバケーション』。
内木社長
こういう『オバケーション』という書籍を出版社さんが、これは面白いと言ってくれて、出してくれたんですよ。こういうキャラクターがですね、いっぱい紹介されている。

 

MATSUMOTO
これ全部、子どもが書いたんですか。
内木社長
子どもからはアイデアを募集しているので、書いているのは学生なんですよね。なので、応募しているのは、この7歳とか、それこそ4歳とか、3歳とかもいたぐらいなんですけど。

そういう子から、こんなお化けがいたらいいな、面白いなというアイデアが、だいたい文章ですね、文字で応募されて。その中から、これは面白いというものを、こちらが、デザイナーが想像力を膨らませてキャラクターにするという活動ですね。

なぜキャラクターかというところなんですが、キャラクターにすると、これを例えば、企業さんが使いたいと言ったときに、使うことができるんですよね。これは、「あいうえおばけ」と言うんですが、「あいうえおを教えてくれるお化けです」ということで、実際これは、子どもが投稿したときには、「四角い恰好をしていて、背中に細かく、あいうえおが書いてあって、同じ人のところに3日いたら、なついてくれる」という、そういうような設定をいろいろ考えてくれて、送ってくれるので、じゃあ、教えてくれるんだったら、きっと楽しく教えてくれるのかなというので、なんかクイズみたいにして教えてくれるお化けを考えてですね。これをカードにして、子どもに実際に郵送していたんですけど。

 

MATSUMOTO
なんか独創的なアイデアがいっぱいありそうですね。お子さんだと。
内木社長
ほんとに、子どもからのアイデアというのは、面白いものがすごいいっぱい集まってきたので、なので学生一人だったら、きっとできないようなキャラクターというのが、ものすごいいっぱい出てきたんですよね。

これも実際、自分が学生のときに書いたものなんですけど、こういうのをやっていて、やっぱり子どものアイデアというのは、何かしら、とてもいい才能だと思うので、それをなんとなく大人になるとなくなってしまうというのは、すごいもったいないなと思っていて、じゃあそれをテーマにしたイベントとかというのを、どんどん作っていって、もうちょっと脚光浴びてもいいんじゃないかなというところから始まりましたね。

 

MATSUMOTO
面白いですね。実際に、それで『オバケーション』という本に、1冊なっているんですよね。
内木社長
結構やっぱり面白いと言ってくれる大人も多いんですよね。やっぱり、なかなかそういう人ばかりじゃないので、そういう場所を広げていけたらなというところですね。

 

MATSUMOTO
これが学生時代、会社員時代。

 

内木社長

これは学生時代ですね。卒業してからも、働きながら、大学に行って、たまに、『オバケーション』の活動はずっと続けていたので。

働きながらも、毎月お化けを書いたりとかというのをしていたんですよ。ちょっとそのリクルートでですね、関わっていた雑誌がなくなるというタイミングがあったので、そのときに、じゃあ、会社を作ろうかなという流れになりました。

 

 

MATSUMOTO
じゃあ、会社の整理とともに、次どうしようかなみたいな。
内木社長
ただ、雑誌がなくなるだけなので、会社はもちろんあったんですけど、大きな会社なので、全然。他の部署に移るというのはできたと思うんですけど、すごい思い入れのあった雑誌でもあったので、それがなくなるというタイミングで、じゃあ他のことをやってみようかなというのは、いいタイミングだったかなと思います。

 

準備される期間とかあったんですか。辞めるまでに、それとも、突然辞めちゃったとか。

内木社長
なんだかんだで、1年ぐらいはかかりましたかね。ずっと、『オバケーション』の活動を続けていたというのが大きかったですね。

なので、毎月集まって、他のメンバーとも話し合いとかもしていたので、なので、これをどういう形で形にすれば、もっと広がるかとか、だから、起業の前段階の相談みたいなものはずっとやってはいましたね。ちょっとそれがいつ起業するかというのは、全然決まってはいなかったですし、NPOのほうがいいんじゃないかとか、いろんな話し合いはあったんですけども。

 

MATSUMOTO
辞めるまでに、起業するビジネス自体は、この子ども向けというのは、だいたい決まっていた。
内木社長
子ども向けは決まっていましたね。もともとは、この『オバケーション』をなんとか仕事にできないかというのが、一番初めのスタートでした。

 

MATSUMOTO
会社辞めてすぐ起業したという感じですか。
内木社長
すぐですね。

 

最初は一人からスタートしたんですか。

内木社長
そのときに関わっていた三人で始まりました。

 

資金はいくらから始めたか。

内木社長
資本金が300万円で始めました。

 

MATSUMOTO
それは、会社員時代からコツコツ貯めていた。
内木社長
みんなで持ち寄ってという感じでしたね。あとは、大学の先生がすごい応援してくれたので、この先生からも、少し出していただいてという形でした。

 

MATSUMOTO
じゃあ起業までしましたと。それから、まず商品は『オバケーション』?。それとも、これからどうしようかなと?
内木社長
このビジネスモデルとしては難しいなというのもあったので、やっぱり子ども向けのイベントを作っていくというところからですね。

 

まず初めに何をされたんですか。商品開発のところですか。

内木社長
開発ですね。ほんとに何も分からなかったので、こういうものが売れるのかみたいなところも全然分からなかったので、株式会社って何みたいなところから、一から勉強でしたね。

 

MATSUMOTO
それは三人で思考錯誤しながら。
内木社長
そうですね。

 

一番初めに作ったのは

内木社長

 

MATSUMOTO
塗り絵ですね。結構これ作るのに苦労したこととかありますか。
内木社長
苦労の連続でしたね。

 

MATSUMOTO
気をつけていたこととか、作るときに。
内木社長
今はiPadのアプリという形になっているんですが、一番初めは紙を実際に3分割に切って、台紙みたいなのにはめて、全部アナログみたいなのでやっていたんですよ。

 

MATSUMOTO
そうなんですね。
内木社長
実験ですよね、それがあって、面白い、すごい子どもの反応が良かったので、じゃあこれをちょっとデジタルを入れて、こういう形にしてみようというのをやって、まだそのときiPadがなかったので、1回パソコンでフラッシュで動くように作って、iPadが出たタイミングで、これはいいということで、iPadのアプリをすぐに作って出すという流れで、3、4回バージョンアップしているんですけど。

 

MATSUMOTO
最初は画像というか、紙で。
内木社長
紙を切っていたので、紙をカッターで切っていたので、それを穴の開いた台紙に、パチンパチンとはめて、三つのパーツが一つに見えるようにっていうことをしていたんです。

 

MATSUMOTO
それで最初はイベントとかをやっていた。
内木社長
イベントも行いましたね。横浜動物園のズーラシアさんでさせていただきました。

 

シャッフル塗り絵が思いついた背景というのは、どういう感じなんですか

内木社長
もともとは動物園からの依頼だったんですね。動物園で、障害者の方、子どもたちを無料で招待して、思い切り遊んでもらおうという、結構、世界的に有名なですね、日があるんですよ、1年に1回だけなんですけど、その日に何かイベントをやりたいということを相談されて、じゃあ動物がテーマで何か想像性とかってとかいうところ、誰もが簡単に遊べて、想像力というのがテーマになっているものを作ろうと決めて、思考錯誤して作っていったような感じです。

 

MATSUMOTO
そこから動物という。
内木社長
動物が一番初めにできましたね。その後に、恐竜とか、乗り物とかというので、今はいろんなパターンがあるんですけど。

 

MATSUMOTO
このシャッフルって決まったのは、その前にもいろいろ案が出ていたんですか。
内木社長
すごい色々なの出しましたね。形にするのは、もちろん一つなんですけど、いろんなものを出してというのは、今でもうちの作り方としては変わっていないですね、クライアントさんから、モヤっとした、結構ばっくりとした依頼を受けるので、そこに対して、10、20の案を出して、一つに決めて、作っていくという行い方をしています。

 

MATSUMOTO
シャッフルのときは、シャッフルの前にテストしたものというのは、特にない、もうシャッフルって決まって、それから順調にシャッフルでいい感じに。
内木社長
そういう意味では結構スムーズでしたね。

 

MATSUMOTO
商品作成とか、しばらくテストしていて、3ヶ月や6ヶ月で反応良くなくて、軸を変えたり変更するとかも結構多いと思うんですけど、このシャッフルに関しては、もうスムーズに。
内木社長
シャッフル塗り絵に関しては、スムーズにいったほうだと思います。他のここら辺のパッケージになっているイベントは、もう消えていったものもいくつもあるので、そこら辺は残ったものが今残っているという感じです。

【IDEAストーリー】第3回:子供向けのイベントやアプリコンテンツを企画・制作/後編

 

 

株式会社ピコトン  代表取締役社長 内木広宣

東京工芸大学学部でコミュニケーションデザインを学び、子どもの持つ自由な発想に着目。子供に特化したワークショップイベント、キッズアプリなどの企画開発を手がける。

子供たちの「想像力」をテーマに、子供向けのイベントやアプリ、会社見学などのコンテンツを企画・制作。子供向けコンテンツ開発の土台となった「オバケーション」を学生時代に研究室で開発。文部科学省主催の「第10回インターネット活用教育実践コンクール」で内閣総理大臣賞を受賞している。後に「シャッフルぬりえipad」イベントは、第5回キッズデザイン賞を受賞する。