アップセルとクロスセルの事例を見て違いを理解しよう!

マーケティング

From:松本泰二

売上をあげるために欠かせない概念として、「アップセル」「クロスセル」というものがあります。この二つの販売方式の目的は、一人の人が買ってくれる単価を上げることです。売上を上げる上で大変効果がある手法です。

以下にアップセルとクロスセルの違いとメリット、具体的な事例、これらの手法を使う時に注意すべきポイントを説明いたします。まず二つの意味の違いを見ていきましょう。

 

「 アップセル 」とは?

ある商品の購入を考えているお客様に対して、より上位の値段の高い商品をお勧めする販売方法のことです。

 

 

一方「クロスセル」とは?

ある商品の購入を考えているお客様にたいして、別の商品を提案し販売することです。これらアップセルとクロスセルで大切なのは、「お客様の財布の紐が開いた瞬間が最も買ってくれやすい」ということで す。

バックエンドにおいては購入してから、すでに日にちが経っていますので、お客様の財布の紐も固くなっています。この 、商品を勧めるタイミングという点に、アップセルとクロスセルが大変効果的な理由があります。

 

では、それぞれの例を上げていきましょう。

「アップセル」の例として有名なのが、マクドナルドのポテトのMを買おうとするお客様に対して、「ポテトのLサイズが 割引となっていてお得ですが、いかがですか?」と勧める例です。

お客様の頭の中では、「これくらいの値段の違いだったらLサイズにしようかな。Mサイズを買って物足りなかったら嫌だ しな」という気持ちがめばえ、より上位の商品を購入します。

 

「クロスセル」の例としては、同じマクドナルドでハンバーガーを購入されたお客様に対して、「ご一緒にポテトはいか がですか?」と勧めることです。お客様の頭の中には、ハンバーガーを食べている自分の姿がありますので、「自分の食べているトレーの上にハンバーガ ーだけじゃ寂しいな、ポテトもあると満足できるかも」というイメージがわき、ポテトも一緒に購入することになります

「アップセル」「クロスセル」を実施する時に大切なのは、「タイミング」と「イメージ」です。

 

どういうことかと言うと、マクドナルドの例では、お客様が購入を決めた「 タイミング 」で、ポテトを勧めています。 お客様はすでに購入しようという意思は固まっていますので、お財布の紐が開いた状態です。

また、お客様の頭の中では、食事をしている自分の「イメージ」が作られていますので、そのイメージを完結させるのに 助けとなるポテトの購入が魅力的に感じられます。

 

ではそれを確かめるため「アップセル」と「クロスセル」の具体的な例をもうひとつ見てみましょう。

今度は有名なECサイトのアマゾンを例に取ってみましょう。「アップセル」の事例としては、アマゾンでPCを購入しようと探しているときに、「この商品を見ている人は、こんなも のも見ています」といって、さらにスペックの高い商品が下にいくつも表示されます。

お客様はPCを購入しようとする意思がある状態ですので、頭の中で、「せっかく買うなら後悔しないようにスペックの高 い物を購入しようか」という気持ちが芽生えます。

 

あなたも同じような経験があるのでは無いでしょうか?お店に行った時に、よりスペックの高い商品を勧められ、ストレ ージなどのことを考えて、当初考えていたのより上位の商品を購入したことがありませんか?

アップセルで大切なことは、お客様の側に立って考え、提案することです。これを間違えて、売り手側の立場から売り込むと、ただの押し売りと捉えられ、買おうとする意欲まで無くなってしまうかもしれません。それでは、元も子もありま せん。

 

では「クロスセル」の事例はどうでしょうか?

同じアマゾンのECサイトでは、商品を購入する際に、「この商品と一緒に 購入されている商品」といった表示が出てきます。このクロスセルを入れるだけで売上が大幅に売上が伸びることが多い そうです。

どちらの場合も注意すべきは、お客様が何を求めてその商品を購入しようとしているのか、お客様がより満足を得られる にはどうしたら良いか、とお客様の立場にたって考えることです。

 

お客様の立場に立って想像すると、商品を買うかまだ迷っている時に、色々勧められるとうんざりして買う気がなくなっ てしまうかもしれないなとか、商品をおすすめるタイミングなども分かってくると思います。

激安セール品を求めて来店したお客様に、激安品より少し高いけれど、ずっと長持ちする便利な商品をお勧めしたり、化 粧水をお買い上げくださったお客様にさらに、ライン使いでより効果の出るクリームをお勧めするという方法も効果的です。

 

他にどんな場合があるか色々予想したり、調べたりしてみるとアイデアが広がります。この二つの手法は、しっかり覚えて是非実践してください。