大企業はマスコミを利用して広い規模に広告を打ち、それにかけた費用の何倍もの利益を上げます。逆にいえば、経費以上の利益を見込めない小さな市場は大企業のやり方では通用しません。
そこに中小企業の生きる道が残されています。では、小さな市場で中小企業はどのようなマーケティング戦略を取ればいいのでしょう? ここでは小さな会社が生き残るための集客ツールを四つ紹介してみましょう。
お仕着せの名刺はすぐ忘れ去られる
ビジネスマンが初対面の人と出会ったとき、必ず行うのが名刺の交換です。これを単なる儀式で終わらせるか、それとも今後のビジネスに生かすか、あるいは人脈作りに発展させるかはその人次第なのですが、名刺を集客・営業ツールと考えるならば名刺について無関心なようでは大きなチャンスを逸していることになります。
大半のビジネスマンは会社が作ってくれる名刺を利用しています。そこには社名と肩書き、電話番号、住所を書き連ねているだけで、相手に取ってよほど重要な存在でない限り三日もすれば忘れ去られる確率が高いのです。
近年、本人の顔写真や似顔絵を載せた名刺が登場してそれなりの成果を上げているようですが、当分の間は覚えてくれていたとしてもそれだけではいずれ忘れ去られます。集客・営業ツールと呼ぶにはほど遠い存在です。
何種類もの名刺を活用する
では、どのような名刺を使えばいいのでしょう? 売りたい商品やサービス、来店してほしい店舗によって名刺のタイプはさまざまに考えられますが、まず心がけていただきたいのがいくつもの種類の名刺を使い分けるということです。
これまで取引のなかった会社に窓口を設けてもらう場合を想定してみましょう。最初は担当者と会い、自社商品・サービスを知ってもらいます。これが第一段階です。
興味を持ってもらったら相手にとって有益な情報、あるいは商品を紹介するために再度訪れます。第二段階です。その次は担当者の上司を交えてもう少し上のレベルの話になるかもしれません。それが第三段階です。
順調にいけば第四段階で成約となるのですが、そうはなかなかいかないのがビジネスです。価格や納期、その他の条件で折り合いがつかず、一つ一つをクリアしていかなければならないのが常ですが、名刺に話を戻しましょう。
初めて会った相手にどのような名刺をもらうと好感を持ちますか? また、どのような名刺だったら印象に残りますか? ありきたりのものよりも、どこか工夫を凝らした名刺の方が印象に残るし、それがきっかけて話が進展する場合もあります。
エレベーターピッチのように短時間で要領よくアピールする場合は別として、現在のビジネスシーンでは営業トークはいきなり本題に入る例は少ないでしょう。一般的な話題から入るというパターンが大半です。
しかし、初対面の相手といきなり会話を進めるのは難しい部分があります。どんな人物なのかまったく情報がないからです。そのようなケースでは、工夫を凝らした名刺が大きな役割を果たします。大のタイガースファンならユニフォームを着たトラをあしらってもいいでしょう。
地ビールに目のない人なら一番に勧めたいビールの写真をドーンと載せるというのも一つの方法です。名刺の裏に迷路やすごろくを印刷したという人もいます。
初対面の場合、相手に印象づけて「こいつは面白い奴だ」と思わせるのは非常に有効な方法です。そして、見込み客となり得た相手に次に会うときは異なる名刺を渡します。
見込み客には名刺で商品をアピールする
一度名刺を渡した相手に再び渡すケースは、まったくないとはいいませんがまれなケースでしょう。もう一度ほしいと相手から言われない限りその後は名刺のやり取りを行わないのが通例です。しかし、名刺をツールと考えればそれはもったいない話です。なにしろ、その人は必ず名刺を見てくれるし、こちらが伝える情報に興味を示しているのですから。
その段階で渡す名刺は広告と同じです。キャッチコピーで相手の気持ちを引きつけます。詳しい説明はトークで補えばいいのです。当然、売りたい商品が変われば名刺も変わります。Aという会社にもBという会社にも売り込みをかけていて、売りたい商品が異なればキャッチコピーも変わります。
新商品が出てその売り込み先に営業をかけたいのであればそれ用の名刺も必要です。名刺は自分の名前だけを知らしめるのではなく、自社が売りたい商品をアピールするものでもあるのです。
人脈とはなにか?
豊富な人脈は集客アップのみならず、あらゆるビジネスシーンにおいて有力な武器となります。それは皆さんすでによくご承知で、時間が許す限り異業種交流会や名刺交換会などに出席しているのではないでしょうか。しかし、それが実際に業績アップに貢献しているかどうかとなると疑問符がつく場合が往々にしてあります。
そこで、人脈とはなにかということをもう一度考え直していただきたいのです。一言でいってしまえば人脈とは人と人とのつながりです。では、単に知り合いであればそれは人脈と呼べるでしょうか?
答えはノーです。集客というテーマで考えれば、新しい商品の売り込み先を紹介してくれるパースンということになります。つまり、仲介です。
トラブルが発生したときは人脈を通してこちらの誠意を見せ、挽回の機会を作ってもらうこともあるでしょう。困難な状況を打開するための方策を考えてもらうケースも考えられます。そういう場合に頼りになる人脈を二、三度会うだけで形成するのは不可能です。
頼りになる人脈作り
振り返ってみたとき、前述したような頼りになる人脈をあなたは築いているでしょうか? ウーンと考え込む人が多いと思います。知り合いはたくさんいたとしても、人脈といえるほどの付き合いをしている人は意外と少ないことに気づいたのではないですか?
それが普通なのです。意識して心がけなければ人脈は形成されません。今まで人脈の重大さに気づかなかったか、それとも今ある状態が人脈だとカン違いしてきたかです。
それでは、どうすれば頼りになる人脈を作ることができるかという話に移ります。要点は次の四つです。
①自分の価値を高める
この点を忘れている人が多いのですが、人脈を形成するうえでなにより大切なのは「この人とつながっていたい」と相手に思わせることです。どんなに狭い世界でどんなに些細なことでも、この件に関してあいつに叶うものはないと思わせるほどのものを身につけると非常に大切にされます。
優れたところとは異なる分野であっても、一つでも抜きん出たものがあるとその人の言動は重みがあり、周囲は頼りにします。本人はその能力を身につけるために他人よりは努力しているはずです。それがビジネスの進め方においても生きてくるのです。
②相手を大切にする
相手になにかして欲しければ、いうまでもなくこちらも相手のために動かなければ人脈は機能しません。収支決算は自分の計算ではマイナスになる程度でちょうどいいと思ってください。フィフティ・フィフティではなく、シックス・トゥ・フォーです。
一日働いて疲れて帰宅しようとしたところに、人脈の一人から連絡が入って緊急事態で困っているから手伝ってくれと頼まれたとしましょう。そのとき、不可能でなければ最善を尽くすのが緊密な関係を継続するためのキーです。理由を作って断るのは簡単です。断ったからといって人脈が途切れることはないかもしれません。
しかし、自分がベストを尽くしていることは確実に相手に伝わりますし、あなたに対する信頼は確固たるものになるでしょう。より強力な人脈になるのです。まずギブがあり、それからテイクです。テイク&ギブではありません。
③関係を深くすることを急がない
まだ付き合いが浅いのにやたら接近してくる人がいます。特に用件はないのにラインやメール、さらには電話をかけてきて接触を図ろうとしてきます。人脈を作るためにはこまめに連絡を取りなさいというハウツー本があるそうですが、接近される側としては迷惑な話です。
まだどういう人間か分からないし、といって無視することもできませんから適当に返事をするのですが、今夜がダメなら明日でもぜひ一杯付き合ってくださいといわれるとさすがにうんざりします。一旦そういう印象を与えると挽回するのに苦労します。
こういう考え方はできないでしょうか? こちらが人脈に加えたいほど能力の高い人間はあちこちから頼りにされていると思っていいでしょう。自分の時間を犠牲にしてでもほかの人のために一生懸命頑張っているに違いありません。そんな人に時間の余裕があるでしょうか?
まずないと見ていいでしょう。忘れ去られるのは困りますからあっさりした連絡だけでいいでしょう。「ああ、こいつも頑張っているんだなあ」と思ってもらえるメール程度にとどめ、いつかはその人に頼りにされるほどのスキルアップを心がけましょう。
④まず社内に人脈を築く
いつも同じ顔ぶれで仕事をしていると同僚の考え方が分かってきます。その人なりの人脈もつかめてきますから、どういう分野でそれが役に立つかも把握できるようになります。その状態を続けていると井の中の蛙になり、いつまで経ってもそこから抜け出すことができません。そのためには社外の人脈作りが大切だから、異業種交流会などに参加するという論法がまかり通っています。
しかし、先ほどいったように、単に顔を合わせただけで人脈ができるほど世の中は甘くありません。一、二度ゴルフをした程度でも難しいでしょう。半年間かけて同じプロジェクトに携わったりすればお互いの力量や考え方が判断でき、人脈作りに大いに役立つ可能性はあります。
では、最初はどのようなきっかけで人脈作りを進めていけばいいのでしょうか?
一つ考えていただきたいのは、同じ会社で働いている人たちを人脈に取り込むことです。同じメンバーでは井の中の蛙になると先ほど言ったじゃないかと反論されると思いますが、ここでいう同じ会社の人とは他の部署を指しています。中小企業といっても範囲は広く、従業員数人から数十人とさまざまです。
さすがに数人単位の場合は他の部署といっても気心は知れているでしょうから、ここでは20人以上の場合としておきましょう。そこまでになると担当部署はある程度固定化されており、一緒に仕事をしたことのない社員は必ずいるはずです。
担当している仕事が違えばビジネスの進め方も異なるでしょうし、考え方も自分と同じではないはずです。あなた同様その人も上昇志向が強ければお互いに存在を認め合うでしょうし、共通の話題に事欠くこともないでしょう。そこから得た人脈形成のノウハウは社外にそれを求めたときにもきっと生かされるに違いありません。
ホームページは他社がやるからウチもやる
中小企業の集客ツールとして次に考えたいのがWeb戦略です。現在は大半の企業が自社のホームページを立ち上げています。内容は似たり寄ったりで、会社の沿革や営業内容、取り扱い商品などを紹介しています。
ところが、年間を通してほとんど更新されていない(ように見える)ところが珍しくありません。業態によっては大きな変化が出せないケースがあるのかもしれませんが、どうして更新しないのか尋ねると「特に出したいものがないから」という返事が返ってきます。
その背景には、競合他社がやっているからとか、連絡先だけでもここに来れば分かるようにしておきたいというのがあるようです。結局のところ、戦略とはほど遠い段階にあるというのが実情です。
更新されないホームページは無意味
やり方次第では強力なツールとなるホームページがなぜこのような状態で放置されているのでしょうか? 答えは、多分、ホームページを単独でしか捕らえていないからでしょう。中小企業の場合、マーケティングには熱心でもネットのことはよく分からない、苦手だからという経営者が大半です。その結果、まずホームページを立ち上げるという目的が先行してしまうのです。
そして、ホームページを開設したのはいいけれど、更新するような内容がないためいつ訪問しても変わり映えがせず、ひいては訪問者が激減してしまうのです。これではホームページを立ち上げた意味がありません。
新商品の詳しい情報を提供する場でもある
マーケティング戦略の中にAIDCA(アイドカ)の法則と呼ばれるものがあります。よく似た法則にAIDMA(アイドマ)、AIDA(アイダ)の法則がありますが、AIDMAはアクション、インタレスト、デザイア、メモリー、アクションの頭文字を取ったものです。
このうちのメモリーを省いたものがAIDAであり、メモリーの代わりにコグニション(確認)を加えたものがAIDCAです。消費者の購買行動に訴えるためにはまず注目してもらい、興味を持ってもらい、欲しいと思ってもらい、確認してもらう。そうすれば行動に移ってくれるというわけです。
では、どうすれば確認してもらえるのでしょう?
かつて、それは有名人や一般消費者の声だったり、新聞・雑誌のパブリシティだったのです。現在でもそれは有効ですが、ほとんどがWebの情報に取って代わられています。レビューという形で表現される実際に使ってみた人の声(企業が仕掛けたものもありますが)、食べてみた人の声がWeb上を飛び交い、それによって興味を持った人はホームページで詳しい情報を得ようとします。
これはマスコミに載せた広告も同様です。単純に広告に飛びつくのではなく、もっと詳しい商品情報を知り、競合品と細かく比較したうえで行動に移すという購買行動がしばしば見られるようになっています。
自社のホームページはどこよりも新しく詳しい情報を載せていなくてはならないのです。マスコミの広告に出た。ネットで話題になっている。なのにホームページには詳しい情報がないというのではお話になりません。
訪問者が多くても売上アップにつながらない
ホームページについてカン違いしている経営者として、訪問者が多ければそれでよしとしているタイプが非常に多いという傾向があります。自社に専門知識を持ったスタッフがいないとか、専任を置くだけの余裕がないといった場合、ホームページの立ち上げ・運営を外部スタッフに頼るというケースは珍しいもではありません。
しかし、外部スタッフが目指すのは訪問者の数という数字でしかありません。彼らは専門家ですからリスティング広告やSEO対策を施し、また見た目にも素晴らしいホームページを制作するでしょう。
しかし、それで満足していては業績アップにつながりません。AIDCAの法則でいう最後のアクションを訪問者に起こしてもらわなければ目的を達成したことにはなりません。
では、訪問者にとって欲しいアクションとはなんでしょう?
最終的に購入という形になるのですが、ここでは問い合わせということにしておきます。単価の低い一般消費財ではすぐ購入してもらえるでしょうが、耐久消費財では消費者が慎重になります。問い合わせをして企業の対応ぶりを見て、信頼に足りるところかどうかを確認しようとします。
この時点で訪問者は見込み客になっています。窓口の対応が悪いとどんなに素晴らしい商品でも、理想の高い企業理念であろうと一瞬にして地に墜ちてしまいます。
その結果を、一人の見込み客を失っただけと甘く解釈してはいけません。ツィッターでささやかれたりブログで書き込まれたりするとアッという間に広まります。消費者は企業側の言葉は疑ってかかりますが、同じ消費者の言葉ならすぐに信じてしまいがちです。
情報を発信するのは企業だけではありません。今は消費者も発信する側にあります。ネット社会とはそういう面を持ち合わせていることを理解してください。
SNSとはなんですか?
SNSとはなんですか聞かれて即答できるのは、この記事を読んでいる人の中に何人いるでしょうか? 50%? いやいや、もっと少ないのではないでしょうか。ネットがものすごい勢いで普及し、それを利用したビジネスが信じられないほどのスピードで進化しています。それに対応するのは正直いって大変です。見出しに掲げたSNSも急速に広まったネットサービスの形態で、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの略です。
ウィキペディアには「人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型の会員制のサービスと定義される」とありますが、これだけではなんのことかさっぱり分かりません。そこで、このSNSにはどんなものがあるかを列挙してみましょう。
代表的なものとしてはライン、フェイスブック、ツイッターがあります。他にもミクシー、アメーバ、インスタグラム、ピンタクレスト、タンブラー、ピクシブなどがあり、まだまだ増える可能性は十分あります。このように並べてみると、SNSとはどんなものかが見えてきたのではないでしょう?
SNSを集客のツールにする
さて、このSNSを使って集客しようとしたとき、あなたはどんな方法を思いつくでしょう? 新しいレストランがオープンするらしいよ、新製品ができるらしいですといったすぐに商品やサービスを認知してもらえるメッセージを流すのではないでしょうか。これは絶対にやってはいけないことです。なぜなら、SNSに集まってくる人たちは楽しむことを最大の目的としています。ビジネスやセールスの臭いがするとすぐソッポを向きます。
商品を企業としての立場でアピールするのではなく、一般消費者らしい口調でなら聞いてくれるのではないか。そう考える担当者もいるでしょうが、SNSのユーザーは敏感です。それらしいメッセージはすぐステマと判断されます。
ステマとはステルス・マーケティングの意味で、早くいえばヤラセです。ホームページの制作会社が数百人もの人に依頼して問い合わせメールを送ってもらい、クライアントにこれだけの反応があったと報告するパターンは有名で、いつまで経っても根絶できません。
近年は純粋な消費者の声であるはずの口コミにもこのステマが混じるようになり、ユーザーはなおさら敏感になっているようです。もう一度繰り返します。SNSで社名や商品名、店名を意図して取り上げるのはNGです。
SNSで目指すもの
では、どうすればSNSを集客に活用できるのでしょう? 答えは人脈作りと同じで、まず信頼関係を深めることです。あなたという人間を知ってもらい、この人なら信用できると思ってくれれば多少のビジネス臭を感じても耳を傾けてくれるようになります。あなたは耳を傾けてくれた人にだけメルマガを配信するなり、自社のホームページに誘導するなりのアクションを起こせばいいのです。
名刺交換会で会ったとしても、その後はお互いに忙しい身の上、なかなか直接会える機会はないでしょう。会えたとしてもなかなか会話は進展しないでしょう。しかし、SNSを介したつながりなら空間はまったく気にならず、時間も手隙を利用できます。ツイッターなら140字以内という制限がありますから、軽い接触ですみます。付き合いが浅い相手でも気軽にやり取りができます。
ただし、気軽なやり取りではあってもあなたの人間性はしっかりしていることを伝えなければなりません。そのためにはプロフィールを充実させることが欠かせないのです。誰でも分かる言葉で主張したいことをコンパクトにまとめておくことが必要です。そして、自らメッセージを書き、他のメンバーのメッセージに対してはこまめな反応を見せることです。機会があれば交流会にも顔を出すべきでしょう。
どのSNSを選べばいいか
先ほどいったように、SNSにはさまざまなものがあります。そのうちのどれを選べばいいかとなるとかなり難しいものがあります。周囲に加入している人がいればぜひ意見を聞いてください。自分の業態にマッチしたものがベストとはいえ、それを見つけるのは簡単ではありません。次にユーザーが多いSNSの概要を紹介しておきます。興味があれば詳しい情報を自分で入手してみてください。
①LINE
メールや通話が無料で楽しめるもので、ネット利用者の60%近い人がこれを使っているそうです。原則は1対1のやり取りですが、友だちに一斉送信できます。内容はメルマガと大差ないのですが、LINE限定の情報があったり、クーポンを発行することができたりとユーザーにとってお得な部分を付け加えることができます。
また、LINE内でホームページを作ることもできます。一般のホームページよりビジネス臭が薄く、それだけに情報に対する信頼性が高いせいか、これを利用して実績を伸ばしている企業が見られます。
②ツイッター
公共性が高く、まさにソーシャルといっていいツールです。即効性が強く、短期間で広く拡散するという特徴があり、それだけに焦って集客を急ぐとマイナス面が広がる可能性が高く慎重に進める必要があります。また、同じ趣味を持つユーザーに絞ることが可能で、認知してほしい商品・サービスによってはこの特性が役に立ちます。
さらには、似たような境遇にあるビジネスマン同士でつながることもできますから、有益な情報交換の場ともなり得ます。
③フェイスブック
ブログのミニ版といえば分かりやすいでしょうか。簡単なメッセージを流し(写真も添えられる)、それに対して友だち登録したユーザーからコメントが返ってくるというシステムです。
フェイスブックでは実名登録が原則で、それだけにユーザーの信頼性は高く、きめの細かいターゲッティングが可能です。また、低料金の広告があり、同じようにターゲットを絞ることができますからリーチできる確率は高くなります。
チラシやDMはネットを連携させる
TVや新聞、雑誌などのマスコミに広告を出すのと比べて、ネットを利用した集客戦略は経費が非常に安く上がります。その意味では中小企業向けといっていいのですが、ホームページにしろSNSにしろ大きな弱点があります。それは即効性に欠けることです。ホームページは訪問者が訪れてこないと始まりませんし、SNSはじっくりと信頼関係を築くのが先決です。
それに比べて、チラシやDMは、見込み客に届く確率は低くてもすぐ反応が出ます。従来から利用されているメディアにはやはりメリットがあるのです。したがって、これからの考え方としてはチラシ、DMなどのリアル面、およびホームページやSNSといったバーチャル面での二方向の進め方が要求されるでしょう。
前述しましたように、たとえチラシ、DMで望んでいる商品を見つけたとしても消費者はすぐには飛びつきません。大半の消費者はネットで確認します。会社、店舗、商品をじっくり調べ、それが信用に足るものだと確信してから行動に移すという傾向が強くなっています。
そのとき、ホームページが活気に欠け、長い間更新されていない状態であれば信用を失います。実際に販売店を訪れたとき、販売スタッフの対応が悪いのと同じです。せっかく訪問してくれたお客を失うのは企業にとって大きな損失です。
商品を誉める口コミはステマと判断されがちですが、クレームの口コミはあっという間に広がります。リアル、バーチャルとも万全の態勢で応対してください。