起業の成功率は実際にはどれくらいなのでしょうか?

From:松本泰二

日本の経済情勢もますます厳しさが増しており、年功序列が崩壊して給料が上がらないどころか、雇用が不安定で給料の安い非正規労働者や従業員に長時間労働やサービス残業などを強制するブラック企業など、様々な問題や事件が生じて、テレビやインターネットなどでも報じられたのを見たことがあるでしょう。

 

このような状況で、「起業」に関心を寄せる人も出て来ているのではないでしょうか?起業して自分で事業を行えば、雇用主や上司からの束縛から解放され、劣悪な労働環境から抜け出して従業員の給料とは比べものにならない高収入を得ることができ、自分の得意なやりがいのある仕事ができると期待しているかもしれません。

しかし、世の中はそんなに甘いものではなく、起業して成功するのはほんの一握りで、夢のようなことと考えて諦めている人が大多数でしょう。それでは、起業の成功率は実際にはどれくらいなのでしょうか?また、成功するための秘訣のようなものはないのでしょうか?こんな疑問について考えてみましょう。

 

起業の成功・失敗率

あるサイトによると、起業してからの生存年数率(起業の成功率ともいえます)は1年で40%、5年で15%、10年で6%、20年で0.3%、30年で0.02%とのことです。逆に言えば、過半数の60%の企業がたった1年で倒産し、10年で94%、20年以上ではほとんど全部と言っていいくらいの企業が倒産していることになります。

 

学生時代にマイクロソフトを起業したビル・ゲイツやアップルを起業したスティーブ・ジョブズ等のことを思い浮かべ、起業に魅力を感じる人も多いかと思いますが、このような現実を見せつけられると、意欲も萎えさせられるかも。

 

どんな分野でも同じ

しかし、これで逃げ出したりいろいろなことに挑戦する意欲をなくしては、何事もできなくなります。起業だけでなく、他のことでも同じです。例えば野球を考えて下さい。全国至る所に少年野球チームがあり、数え切れないほどの少年が練習に打ち込んでいます。高校野球でも地方大会の参加校は北海道から沖縄まで合わせて4,000校を超えますが、甲子園に出られるのは49校に過ぎず、大抵の場合準決勝、決勝に残ったチームのみが話題になるだけです。

さらに、多くのホームランを打った選手や次々と三振を奪った投手などが注目を集め、プロになる選手も毎年いますが、一軍に定着し、さらに何年も活躍する選手はほんの一握りだけなのです。

 

米国ではベンチャー企業の倒産が多いのですがそれを上回る起業があり、自分のやりたい仕事を求めて大企業よりベンチャー企業に就職を希望する学生が多いのに対し、日本ではベンチャーの起業が相対的に少なく、安定や好待遇を期待し倒産のリスクが少ない大企業を希望する学生が多いといわれています。

ところが、1990年代のバブル崩壊後は大企業といえども倒産したり業績が低迷して年功序列制度や終身雇用制度が見直されたり、就職事情も厳しくなったり、非正規雇用が多くなってきました。

 

資本金1円からでも会社を設立できる

一方、このような状況の打開策として「新会社法」が2006年5月から施行され、資本金1円からでも会社を設立できるようになり、2001年には「新市場・雇用創出に向けた重点プラン(平沼プラン)」が制定されて大学発ベンチャーが全国的に展開されるようになりました。

このような時こそ、起業の成功率などを気にせずに、失敗することを恐れることなく起業を試みるいいチャンスかもしれません。

 

そもそも、起業の成功率を調べたところでどうなるのでしょうか?親しい友人や家族が計画性もなく無謀と思えるような起業をしようとしているのを思い留まらせるのに役立つかもしれません。しかし、それなりにしっかり準備して意欲的に起業を計画としている場合には起業の成功率を調べたところで何の意味もありません。

毎日交通事故が起きているのに、車で出かけるのを止めようと考える人がいないことと同じです。ただし、高齢になって判断力や反射神経が鈍ってきたら運転免許を返納しようと考えたり、遠方に長距離ドライブする際には事前にルートや渋滞などの道路状況を調べるでしょう。

 

起業も同じことが言えます。成功の確率が低いからといって諦めることはないのですが、確率を高める努力は必要です。成功の確率を高めるためには、どんなことを準備したり留意すればよいでしょうか?考えてみましょう。

 

いろいろな起業家

entrepreneur-593358_1283

起業を考えている人の状況は様々です。

起業を考えている人

・学生でありながら自分の夢を持っていて就職せずに早く実現したいと考えている人
・非正規雇用あるいは劣悪な環境で働いており現状を打破して高収入を狙っている人
・定年退職したシニアで体力もまだまだあり、現役時代に培った経験を活用して新しいことに挑戦したい人

などなど。

 

学生あるいは就職して間もない若い人は社会経験が少なく資金もないかもしれません。しかし、自分の考えを推し進める体力とバイタリティーがあり、失敗しても何回も挑戦できます。繰り返し失敗しながら経験を積んでスキルを向上させることも期待できます。

既に就職してある程度長く働いてきた人はこれまでの社会経験や人脈を生かすことも考えられます。特に劣悪な職場環境や極端な低賃金で働いている人は、失敗しても失うものはないという思いで、起業の成功率などを気にせずに起業に踏み出そうと考えているかもしれません。

 

一方、現在の職場にそれ程不満があるわけではないが、自分で思いついた新しい事業を展開したいあるいは上司の目を気にすることなく独立して働きたいと考えている人は、当面は勤めている会社を辞めることなく、休日や帰宅後の時間でできる起業を立ち上げ、上手くいく見通しが立ったら会社を辞めて全面的に打ち込むことも考えられます。また、現在勤めている会社によっては、企業内ベンチャーとして起業することを推奨するかもしれません。

定年退職したシニアは、これまで培ってきた経験・知識や人脈を生かして起業できます。また、これまで蓄えた貯蓄や退職金の一部を資金に充てることもできます。ただし、失敗した場合には体力的にも資金的にもやり直しが難しくなります。若い人のように繰り返し挑戦できる余裕がないのです。再就職することも難しいので、起業で資産の殆どを費やしてしまった場合には今後の生活にも困ることになります。

 

起業に失敗する理由

cube-1655118_1283

サイトを検索すると、起業の経験者などが起業に失敗した様々な例を挙げて原因を分析しています。例えば、

 

起業に失敗した原因

・計画時に話題になっていた事業を立ち上げたが、軌道に乗る頃にはブームが去ってしまって誰も関心を寄せなくなった。

・立地条件を深く検討せずに借りた店舗の賃貸料が高すぎて資金が続かなかった。

・事業計画の検討が不十分で役所に必要な届出がなされなかったり、従業員の採用・教育や必要な経費が実情と大幅に異なっていた。

・起業後しばらくは成功して売上げも伸びたことに自信を持って事業規模を大幅に拡張したが、この頃から顧客に飽きられて売上げが落ち始めて、拡張に伴う出費増も賄えず倒産してしまった。

 

など様々な例があります。

 

これらの例を大きく分類すると、事業内容(どんな商品・サービスを展開したいか)と資金の2つの要因になります。このうち、資金に関しては事前に関連する事柄についてしっかり調査をし綿密な計画を立てれば、失敗による痛手を最小限に抑えられる可能性があります。

 

起業資金ほぼ0円

極端なことを言うと、起業資金ほぼ0円で始めればよいのです。例えば、ネットに接続していれば、インターネットを介した仕事で起業できます。起業に失敗したところで、多少時間が無駄になるだけで、借金の返済などに苦しむことがないので、成功するまで何回でも挑戦できます。

一方、どのような事業を起業すれば失敗しないのかなどを予測するのは、現実的には不可能でしょう。ブレークしてどこのチャンネルでも出ている人気芸人が来年もテレビで見られるとは限らず、あるいは株価の変動などを予測するのが困難なことと同じです。

今ブームになっている商品やサービスを追いかけて起業したのに、間もなく下火になってしまうことはザラです。逆に、思いもしなかった商品が大ヒットした例もあります。したがって、どの様な内容・事業で起業したら良いかは、自分の関心のあること、得意なことや自分が信じることから選ぶに尽きると言っても過言ではないでしょう。

 

起業する前の準備

cube-1655118_1284

起業に成功する秘訣などはないのですが、準備不足で失敗することはあり得ます。少なくとも、起業すなわち会社を設立するための基礎的知識は把握しておきたいものです。ネットを検索すると、事業計画作成のポイントから、資金調達に関するアドバイス、役所に申請する開業届けや許認可などハウツーを丁寧に説明したウエブサイトや、お金を支払って通信教育で受講するセミナーを提供しているサイトなどもあります。

ただし、「起業できる」とうたい、20代の男女6人に内容の乏しいセミナーに高額の受講契約を結ばせたとして、裁判に訴えられ賠償命令が下された起業家育成塾もあります(西日本新聞、10月1日)。セミナーに申し込むにも注意が必要です。

 

また、第二次安倍内閣政権で掲げられた「地方創生」政策により起業に関する規制緩和・改革が行われ、地方自治体でも各種支援事業を行っています。例えば、富山県では起業、新分野進出をめざす若者・女性・熟年者などを支援する[とやま起業未来塾]を開講しており、今まで302名が修了し、様々な分野で活躍しているとのことです。

他の地方自治体でも同様な企画があり、安心して起業について学ぶことができ、塾修了後もバックアップを受けられる様です。なお、地方で起業すると、賃貸料が安い、通勤時間が短くて楽、従業員を安い賃金で雇える、地方自治体の支援を受けられる等々、大都市で起業する場合よりメリットがあります。起業に成功する確率を高めるためには、しっかりした準備が必要不可欠なのです。

 

まとめ

しっかり準備をして起業しても、成功するとは限りません。失敗しても借金の返済などで困らないようにする唯一の秘訣は、資金0円で起業することも1つです。

ネットに接続する資金は僅かであり、それ以外の資金0円でインターネットを介した仕事ができます。フリーランスとしてデザイナー、ライター、ウエブサイト作成、翻訳などで高収入を得る人もいるようです。

 

また、ネットショッピングでアマゾン等にセラーとして登録し商品の売買を行っている人もいます。このようなネットワークを介した起業は資金のロスがほぼ0円なので、失敗したとしても多少時間が無駄になるだけで、成功するまで何回でも挑戦できます。繰り返し経験を積むことで、要領を掴んで成功の確率が高くなることも期待できます。

さらに、仕事をする場所と時間の制約がないため、自宅でもいつでも仕事ができるので、子育てをしながら仕事をする主婦もいるようです。なお、インターネットを介して仕事を発注したり受注するのに便利なクラウドワーキングが注目されてきており、これから益々発展していくと考えられます。

あなたが、どうなりたいかによって戦略も戦術も変わってくるので、その部分をしっかり考えましょう!

【レペテイション】無料メルマガを購読


起業アイデアの発想はもちろん、ビジネスの立ち上げに至るまで、起業に必要な「技術」が学べるサイトです。事業を立ち上げたい方に有益な情報が満載!基礎から学べる無料メルマガ配信中!

スポーツでも、芸道、華道、茶道、武道などにおいても、「基本の型を反復する」ことは大変重視されます。基礎ができているから創造的な仕事ができるようになり、基本が身についているから応用が利く。何でもそうですよね。ドラゴンボールの悟空だって、修行する時は腕立てや腹筋と基本からするわけです。それで基本が身について、はじめて「パワーアップしたカメハメ波」ができるわけです(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

松本 泰二

1978年12月 東京都練馬区生まれ。O型。アイデア創出の支援を専門にアイデア創出戦略家として活動。ほぼ毎日、誰かとブレストをしています^^。ほぼ毎週、起業アイデアを出すワークショップを開催しています。