コンセプト型シェアハウス・ホテルの企画・プロデュース・運営/前編
シェアハウスにしようと思って、どういうふうに進んでいったんですか?
なので、あとは物件を探して作るだけという段階にきていたところで、知り合いづてにですね、ちょうど困っているオーナーさんがいると、紹介するよということで、オーナーさんを紹介していただいて、最初の物件ができたという。
それで紹介が続いて、だんだんだんだん大きな物件の依頼が舞い込むようになって、今に至るという。今では一番大きなので66室の大型寮のシェアハウスを運営していまして、今100室以上の物件を提案中というような状況なんです。
最初のリフォームは資金というのは、どういう流れですか?
けれども、集客も運営も私が責任もってやり続けて、作ったあとは、これくらいの家賃で必ず払い続けると約束するので投資してくださいということで、納得していただいて、初期投資をしていただいたので、実は弊社は初期投資は全くなく運営をスタートすることができているんです。
軌道に乗ったのは、スタートしてから何ヶ月くらいですか?
最初の入居する募集、入居する人たちはどうやって集めていったんですか?
そういうところに入居者を見つけてください。成約したら1ヶ月分あげます、2ヶ月分あげますというお願いをするのが、通常だったので、集客にはお金がかかるというのが当たり前だったんですね。ただ私たちはそのお金がなかったので、全部インターネットで集客をしています。
大変なことだったりとか、苦労したことはどんなことがありますか?
モチベーションが高いと比例してモラルも高くてですね、一般のシェアハウスで起きるような、盗難が起きたとか、口論になって喧嘩になりましたとか。そういういわゆる、つまらないトラブルというのが全くないんです。これは運営してみて、私たちもものすごくビックリしているんですけども。なので、入居者の方に関する苦労話というのは実は全然ないんですね。
なので、大事になることなく全部小さい段階で収まってしまうんですよね。なので、入居者トラブルはほとんどないですね。ただ、経営としては、やっぱり経営者はいつも人の問題で悩むと言いますけれども、そういうスタイルではいろんな悩みもありました。
私たちのスタイルがどの物件にも一人ハウスマネージャーが、ファシリテーターとして入って、住みながらみなさんの目標達成をケアしていくと、そういうスタイルなんですね。
なので、社員になってくださいという形だと、とてもなれないようなハイスキルな方が意義に共感して、引き受けてくれているような体制に、今となってはなっているんですけども、やっぱり当時はそれほど有名ではなかったので、一般に募集をして、例えば、報酬として、家賃が無料になるみたいな形を取っていたので、家賃が無料になるのでやりますみたいな、今と比べるとそれほどモチベーションが高くない方に、人がいないのでお願いをしたようなときに、やっぱりハウスマネージャー次第で、シェアハウス全体の雰囲気って全然変わってしまって、その中の方々が目標達成できるできないに大きく左右してしまったんですね。
とはいえ既にこの方も住まいを移っているので、なかなかストップしてというのも難しくて、というのが経験した一番大きな悩みですね。強制的にやめてとは、なかなか言えないので、これぐらいの理想を求めていると、それができるようだったら頑張ってほしいし、できないようだったら、自分の都合のいい時期を見て、移り先を見つけて、スイッチすることを考えてほしいみたいなことを誠実に話をして、スイッチするタイミングごとに、いい人材に入っていただいて、物件を復活させていくと、そういうことが一番大きな悩みでした。
人材以外の失敗とか、苦労話ありますか?
もっと現地に入り込んで、調査をするとか、自分が1ヶ月間住んで調査をするとか。もしくは、現地のよく知っている方々をアドバイザーとして、きちんと企画に入れて作るべきだったなというのを、すごく反省したことがありました。
どこの物件も今満室なんですか?
一番分かりやすい例が、起業家シェアハウスですね。起業シェアハウスは今オープンしてから4年経つんですけども、住人専用のフェイスブックのグループがありまして、その中でものすごく相談しあっているんですね。
40人しか住めないんですけども、過去に住んでいた起業家たちもそのグループには残っているので、今となっては、だいたい120人くらいの起業家に相談ができるコミュニティになっているんですね。それが今、住みたい人の強烈に住みたい理由になっているんですね。そういう相談の場があるんだったら住みたいと。
これから起業したいとか、何をやったらいいか迷っている人とかへのアドバイスがあればお願いします。
何か特別なスキルを身につけないとできないですとか、特別な人脈を掴まないとできないですとか、と思いこんでいて、今の自分にはできないと思いこんでいる部分があるんですね。なので、その壁を取ってあげたいなという思いがあります。
一番はできている人と話すことだと思うんです。何かやりたいと思ったら、それを実際にやってみて、できている人と会話してみることが一番だと思うんですね。そうする中で、今の自分と比べて、特別なものを持っていなくても、この人はできている、だから自分もできると、信じることができたりすると思うんですね。
よくある失敗例は会社員の方が同じ会社の仲間たちに相談したりするんですね。ほんとに多いパターンで。そうすると、できていない人たちに聞いても、できる道をアドバイスすることはできないし、そんなの絶対、失敗するから、怖いからやめておきなさいよというアドバイスしか返ってこないんですね。
全体の分布でいいますと、やったことない方々が圧倒的に多いんです。なので、身の回りのたくさんの人に相談したつもりが、みんなできていない人にたくさん相談して、たくさんやめておきなさいというアドバイスを貰って、やめてしまうケースが非常に多いので、いつも送っているアドバイスは、できている人を見つけて、まずそういう人の話を聞きに行きなさいというアドバイスをよくしていますね。
やっぱりぱっと1回会って話をしただけだと、自分と違う世界って、自分と未体験のことって信じきることができないんですね。信じきることができないとアクションに至らないんです。なので、やっぱり生活を共にして、この人は絶対に嘘はついていないみたいなところで信じて、アクションに繋げるというところまで持っていけると、かなり脱することができるんですよね
何をやるかによると思うんですけども、資金というのはどれくらい用意した方がいいか?
事業立ち上げるための資金としては、今となっては、助成金があったりですとか、政策金融公庫に事業プランをしっかり出せば、ある程度の融資はしてくれたりします。
起業家シェアハウスでも、自分の事業プランを洗練させたいので、プレゼンするのでツッコミくださいみたいに、みんなに呼び掛けて、セミナールームに集まって、みんなでヒントを出し合って、洗練させて、VCに持って行くとかあるんですけども。
ほんとにいいプランであれば、VCもプロダクトができていないのに出すことってあったりしますので、手段はいろいろあるので、分かる人に相談すれば何か見つかるよというのがアドバイスですかね。
ビジネスというのは、自分と相手がどっちもメリットがあって、これいいね、じゃあ、こうしようとすれば、交渉成立ですので、双方のメリットを今までにない形で作って、こちらは資金を出さずに、企画、アイデアと実行力で貢献して。お金があるけど、企画と実行力がないという方を見つけて、スキームを作るというのは、すごくオススメなプランですね。
よくアイデアを盗まれたと心配しすぎる人がいるんですけども、やっぱりアイデアってそんなに価値はなくてですね、私の起業家シェアハウスも言ってみれば、誰でも思いつくアイデアなんですね。
ただ自分はそこに対して、こんなに情熱があって多少壁があっても最後までやりきりますとか、誰よりもこんなに深く問題やリスクに対して深く考えて、ちゃんと回避策をこれだけ用意していますみたいなことが、ちゃんと事業が成功するまで至るかどうかの価値になっていくので。
その部分をいかに早く育てていくかが重要なので、出し惜しみをせずにどんどんいろんな人に相談したり、ヒントを集めていって、同じようなことを思いつく人は100人いると思って、その人たちよりも早く洗練させるかをひたすら考える方が成功すると思います。
今後の、御社の事業展開を教えてください。
もう一つは今って、シェアハウスは若い方のためのものというイメージがまだ根強いんですけども、実際に僕たちのシェアハウスには40代のベテラン経営者が住んでいたりですとか、60代の方も住んでいたりするんですね。
お互いに違う世代だからこそ、気づけること、経験してきたことの違いがあって、お互いに与え合って非常にいいコミュニティになっているんですね。なので、40代、50代、60代の方に堂々と入ってこれるような業界のイメージにしていきたいと思っています。
もう一つは単身者のためのものというイメージがまだ根強いですけども、私たちは既に京都にですね、家族で住める起業家シェアハウスというのを作っていまして。家族の区画は1LDKのマンションと全く同じなんですね。
プライベートのキッチンもお風呂もトイレもついているので、マンションと全く同じプライベートのスペースなんです。ただそこに起業家たちが集まって住んでいて、起業家同士のフェイスブックグループで相談できるコミュニティがあって、みんなでイベントを楽しめるスペースがあって、そこでビジネスイベントをすれば、外部の起業家も集まって、輪が広がってみたいなことを楽しめるスタイルなんですね。
これが今一番これから先のニーズに合っていると思うので、単身者も家族も楽しめる、そういった形に広めていきたいと思っています。
もう一つ全く新しい事業として、コンセプトシェアハウスというものは体験を提供する住まいなんですね。私たちは体験を提供することで人生を変えるというコアコンセプトを持っていまして、これをホテルのエリアで活かしていきたいと思っています。具体的には今、京都で外国人リピーター客向けの深い体験を提供するホテル。深い文化体験を提供するコンセプトホテルが決まっていまして、新築で建てている最中なんですね。こういったものをもっともっと広げていきたいと思っています。
これから起業を考えている方々へのメッセージをお願いします。
情熱を持って生きている友人がたくさん増えましたし、世の中の新しいものをどんどんウォッチする癖がつくんですね。それが自分の仕事であり、自分の喜びになっていて、こんな新しい変化があるということは、こういうマーケットの変化が起きるので、こういう事業はチャンスがあるな、ワクワクするなと、ワクワクできる日常になったんですね。
自分が会社員のときにはやっぱり収入も決まっているし、上司が言われたことを、いかに的確にやるかですとか、決められた枠の中でいかに上手くやるかということを発想する毎日だったんですけども、今はその枠を破って、こんな面白いことできないかな、こんな面白い今までにないことできたら、すごい楽しいよね、お客さんめちゃくちゃ感謝してくれるよねみたいなことを発想するワクワクを得ながら、それにチャレンジする日常も楽しみながら、それをやり遂げたときには、お客さんが、「ほんとにこれに出会えて良かった、ありがとう」と言ってくれる、感動を得ることができる。それを一緒に作り上げた仲間たちと、「ほんとにこれ作れて良かったね」と一緒に感動することができる。
この生きている感動というのがお金には変えられない価値なんですね。なので、会社員として頑張るも、起業して頑張るも、全くどちらも正しい生き方だと思うんですけども、私は起業する生き方に、こういう感動を持っていて、心からお勧めします。
どんな人にも可能性はあると思うので、もし、何か糸口が見つからなくて悩んでいるということであれば、いつでも相談してほしいと思っています。
起業におすすめな本/社長の「1冊」
成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語。
(知らない世界をリアルに覗けた感じがした。)
株式会社彩ファクトリー 代表取締役社長 内野 匡裕 コンセプト型シェアハウス・ホテルの企画・プロデュース・運営・コンサルティング。私たちの提供する本質的な価値は『感動を創り出す』ということ。 |
なので、それがすごく意外で聞いてみたんです。どうやって運営しているんですか?どうやって企画を掴んだんですか?ということで、さきほどの会社の寮を持て余しているオーナーさんがいて、オーナーさんは自分で運営することはできないので、運営してくれる人を求めていて、企画が優れていて、運営できそうな実績があれば、任せてくれるんだよということを知って、自分でもできるかもしれない、いや、できるなと思ったんですね。
でも、とはいえ、最初の私というのは、やっぱり実績がない状況ですので、オーナーさんも任せてくれるような存在ではありませんので、最初は1戸建てを探して、1戸建てをリフォームして、シェアハウスに変えて、数人の単位のシェアハウスを成功させて、徐々に大きい物件を作っていこうと思っていたんですね。一生懸命探しては、このシェアハウスはリフォームは駄目ですとか、シェアハウスにするのは駄目ですとかやりながらも、探し続けていたんです。