成功する戦略はライバルがいるマーケットを狙う?

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From:松本泰二

自分の参加しようとしている市場においてライバルの存在は常に脅威と感じがちです。しかし実際には、市場におけるライバルの存在は、その製品・サービスの成功の可能性が高いことを示す指標なのです。

 

どういう事でしょうか?

市場には、3者が存在します。顧客・競合・自社です。これはよくその頭文字を取って3Cと呼ばれます(顧客customer /競合competitor/自社company)。ライバルがいる市場には必ず顧客も存在します。

 

「日の下に同じことは何もない」という言葉を聞いたことがあります。人の考え付くことが他とそれほど大きく違うということはほとんどありません。もし、あなたが「誰も思いつかないような独創的なアイデアを思いついた!」と感じ、「ライバルもいないようだし、実行しよう」と考えているところであるなら、特に注意してください。

それはすでに、誰かが試してみて受け入れられなかったアイデアである場合が多いのです。

 

では市場におけるライバルをどのように見れば良いのでしょうか?

大企業は確かに市場における顧客競争で当然有利にたてるでしょう。しかしあなたが大企業でないとしても、自分の立ち位置を見定めて、それに応じた戦略を取れば成功することは可能です。

もしライバルがうようよしていても、そのなかで目立った強さを誇る競争相手がいないのなら、そこでナンバーワンになれる可能性があります。あなたにその市場でナンバーワンになれる勝算があるのでしたら是非それを目指してください。

 

しかし常にガチンコ勝負でやりあっていたのでは自社の体力が持たないと感じるのであれば、自分とライバルとの位置関係を見定めて戦略を立てましょう。

 

戦略を立てるにあたって以下にことは参考になるかもしれません。

※戦略の立て方について詳しくはランチェスターの法則などを調べてみてくださいね。

市場での地位は、①リーダー、②チャレンジャー、③フォロワー、④ニッチャーと続きます。市場のトップであるリーダーは、隙を突いて市場に食い込んでこようとする二番手・チャレンジャー以下をけん制しながら、市場の防御や拡大を図ります。

二番手であるチャレンジャーは、リーダーの弱点をつきながら、続くライバルであるフォロワーからシェアを獲得する努力を払います。立場の弱いフォロワーは、リーダー製品の模倣などで市場を獲得するか、限られた小さな市場を発見する、ニッチャーに転向する必要があります。

 

あなたがチャレンジャー以下の立場にいるなら、リーダーや大企業と対抗するためには、同じことを行っていたのでは成功できません。もちろんリーダーの製品を模倣したりすることにより市場の中にそれなりの地位を獲得することも可能です。

しかしその中で独自の市場を獲得したいのであれば、強い企業が広く・遠くマーケット戦略を行うのに対し、中小企業は、狭く・近く行う必要があります。

 

例えば小さな居酒屋であれば、大手チェーンと対抗するため、目を引く独自のメニューを打ち出したり、地元密着型にする戦略を取れば対抗できます。

ライバルの強みと弱味を知り、自分の強みと弱味を分析することによって、自社の製品を差別化していくことが出来ます。

 

このことで例に挙げられていたのが「俺のフレンチ」系列のレストランです。フレンチというと高級飲食店との競合ということが思い浮かびますが、「俺のフレンチ」レストランでは内装と人件費を抑える工夫をしながら、食材に資源を注ぎ込みました。そのため味は一流のまま、気軽にフレンチを楽しめることが出来るということで、多くの新しい顧客層を獲得することが出来ました。

この場合は内装と人件費を削減して、食材に強みを生かすという戦略で高級店と共存することが出来ました。

 

あるいはその分野ではライバルに決して勝てないと思うのなら、思い切って撤退して、すみ分けを図ることも考えられます。ただし法律に触れるカルテルなどには注意するべきですが、ライバルと協調する方法は色々思いつけるでしょう。

例が大きくなってしまいますが、例えばPCやモバイル・タブレットなどの分野においては、PCはマイクロソフトが、モバイル・タブレットではアップルやアンドロイドが、それぞれの市場における圧倒的なシェアを持っています。アップルもマイクロソフトも、PC、モバイル・タブレットどちらも扱っていますが、はっきりとすみ分けが出来ています。

 

このようにライバルの存在はその市場に顧客がいることを示す指標なのですから積極的にとらえ、自社の強みをはっきりと自覚して戦略を立て、、それを元に勝負していきましょう。