大学生起業家で成功した人 学生起業のメリットとは

起業

大学生や高校生などの学生が億単位の資金を集め、起業をすることが珍しくない時代です。学生社長によるスタートアップで急成長のチャンスはいくらでもあります。業態によれば、学生を辞めないでも続けることも可能。情報感度の高い若い学生の方が、起業には向いているという声さえあります。

学生起業家を支援する組織が増加する昨今、学生起業のメリットとはどんなものがあるのでしょうか。

 

学生時代の起業で成功した人物

学生の本分は学業とは今の感覚ではずれてきているのかもしれません。学校の勉強をがんばって好成績で単位を取得しても、そもそも行きたい企業からの求人がこない。大学の成績が良くても企業側の採用基準が昔と違い成績だけではない。

 

パソコン1台、身体1つあれば開業・創業できる時代です。

とくに、IT業界は未知数の分野です。自動車や医療などできあがった業界とは違い、小資本でもスタートアップ起業として参入障壁が低く、可能性がある産業です。

 

学生時代に夢を実現して、業界大手に成長した起業家を見ていきましょう。

 

江副浩正(リクルート)

大学在学中に大学の掲示板に貼ってある求人情報に着目。掲載企業から広告料として、事業をはじめることで、求人広告のビジネスモデルを作った人物。紙媒体からネットのリクナビへ移行しましたが、これから100年経って残る事業形態ではないでしょうか。

 

孫正義(ソフトバンク)

学生時代に音声付の翻訳機を発明して、シャープの専務に直談判で1億円もの大金で買取ってもらった話が有名です。アイデアマンでバイタリティーのある起業家です。参考にしている起業家が多くいるのではないでしょうか。

 

海外では、マイクロソフトのビルゲイツ、フェイスブックのマークザッカーバーグらが学生起業家として有名です。

 

起業家の多いアメリカでは、起業を理由に中退する学生の多さから卒業を促すメールを学生全員に送った話などあります。

 

なぜ、学生起業家が増えているのでしょうか。

支援や投資をする企業も増えているということは、それだけリターンが見込めるということです。

 

学生ならではのメリットを見ていきましょう。

 

学生起業の3つのメリット

学生は一般的な社会人に比べれば、まず人脈がありません。知り合いや友人も学生のパターンが多いでしょう。そして、資金もありません。融資の場合の判断材料になる自己資金は1年間の預金通帳を調べられて、自分で増やした資金かを確認されます。この点でもフリです。

 

学生起業は無謀とする意見もありますが、

メリットが多いと言えます。

 

・社会人として大きく成長できる

サークル活動で仲良しの集まりでぬるくやっていた学生と、起業して大人の世界で荒波にもまれた人物では、野生動物と飼い犬ほど違います。付き合う人間と日々の課題が違います。卒業後に、起業を辞めて就職する場合でも、企業の人事は一目置きます。

とくに大きな企業になるほど、経営者側の視点で提案、行動できる人材が求められています。コピー用紙の節約ではなく、トップとしての広い視点で思考できる力は、重宝されます。

 

・人脈の構築

ライオンズクラブや青年会議所などで分かる通り、人間は同じ様な境遇や立場の人で集まる傾向にあります。学生とはいえ起業したからには、他企業のトップと集まる機会も増えてきます。普通の学生ならば、絶対に会えないような社長たちとの人脈は今後の人生に大きな財産となります。大きな刺激も受けるでしょう。

 

・夢を実現できる

卒業をして、どこかの企業や役所など組織に勤めるということは、その組織が求めることの範囲でしか動くことはできません。組織が違う方向、自分の考えと違う方向に向いていても、従うしかありません。道徳とは違い、組織の中で正しいか正しくないかは、上の人間が決めることになっています。下の人間が決めることではありません。

 

学生だとアルバイトとして、言われたことを一生懸命するのが精一杯です。

しかし、学生でありながら創業者としてトップの立場にいると全く違ってきます。方向性もサービス内容も全て起業家であるあなたが決めることができるのです。

 

夢を実現させ、社会に貢献するビジョンを実行できるには起業するしかありません。学生でありながら、舵を切る経験はそうそうできるものではありません。

 

社会人より学生が起業しやすいわけとは

大きな3つのメリットの他に、リスクも考えていかなければなりません。

何かを始めるということは、失敗したときの反動も頭に入れておかなければいけないでしょう。登山道の枝分かれと同じように、メリットとデメリットを検討して、道を選択する必要があります。

 

では、学生と社会人を比べた場合、失敗したリスクがどの程度、違ってくるのでしょうか。

 

例1.資金が1,000万円を超える場合

融資や投資で1,000万円を超える返済義務のある事業に失敗した場合では、学生の方が返済期間を長く設定できます。30年で返済していくのか、10年で返済を迫られるのかでは、今後の生活に大きく影響します。

 

例2.人間関係

社会人になると、結婚をして子どもがいるケースが多くなり、自分だけの問題ではなくなります。学生と比べると覚悟が必要になってきます。学生とは違い、なるべく投資を抑えた起業をせざる負えない状況があります。

 

例3.再就職

学生起業の場合は、卒業後、新卒として就職ができます。社会人では、学生よりはるかに再就職が難しく、年齢が上がるにつれてそのリスクが増していきます。

 

学生のノリが大成功へとつながる

前述したフェイスブックの原型は学生のノリで作られてものでした。

学内の女生徒をランキング付けするサイトを遊びで開設したことがきっかけです。

このサイトは、大学からの指摘で閉鎖しましたが、それが形を変え、大学内の学生向けから世界中で利用されるフェイスブックに成長しています。

 

友人同士の悪ふざけやノリが大成功のカギになった例です。

ビジネスアイデアは本当にどこに落ちているか分かりませんね。世界中で利用される新しいサービスは、今後も生まれてくるでしょう。

ビジネスは早い者勝ちなので、生活の疑問や発見など常に書き留めておきたいものです。

 

社会人起業家の強み

一度、社会に出て電話対応から言葉遣い、ビジネスマナーなど基礎をしっかりと学んできたことだけでなく、経験した業務のスキルは大いに役立ちます。

 

大人としての距離感や気遣いは、社会に出てはじめて身に付くものばかりです。

視点を経営者に変えるだけで、ビジネスを展開できる強みがあります。

 

また、事業活動には欠かせない「ニーズ・シーズ・ウォンツ」を理解していることでしょう。

これを1から覚える苦労は学生起業家の大変さでもありますが、最初から分かってビジネスを始めることができるのは、大きな強みです。

 

最後に

努力の結果とは、すぐにあらわれるものではありません。学生時代の努力や経験は、20代後半ぐらいで出てきます。20代の努力が30代の自分を作ります。今の自分の姿は、10年前の自分の行いを映す鏡だと考えています。

 

今の全ては、過去の全てです。

学生時代に起業をしたという事実とそれにともなう努力や人脈の全ては、未来への希望です。結果や実績ばかりが重要視される社会ですが、それを求めすぎると何もできません。決断ができなくなります。

 

起業は何も恐れることではありません。

未来を語ることができるのは、チャレンジした者だけに与えられた資格です。