成功する人の考え方として重要な3点のうち、残りの2つについて!

マインド(考え方)

From:松本泰二

さて、前回は成功する人の考え方として「はっきりとした目標を掲げること」ということをお伝えしました。今回は成功する人の考え方として重要な3点のうち、残りの2つについてお話していこうと思います。

 

成功する人の考え方の2つ目は、「内部要因思考」

と呼ばれるものです。この「内部要因思考」と呼ばれるものは、多くの場合成功する起業家・経営者における第一条件と言われています。つまり、この考え方を持っていなければ、起業し、経営を始めてもなかなか上手くいかないとされているのです。

この「内部要因思考」、耳馴染みのない方のほうが多いかと思います。ざっくりとこの「内部要因思考」をまとめてしまうと、「自分の身に降りかかったことを全て自分の責任だと思える考え方」のことです。この考え方を持っている人と持っていない人では、天と地ほどの差があります。

 

もっと簡単に言ってしまうと、この「内部要因思考」は「言い訳をしない」という一言にまとめられてしまいます。小さい頃から、多くの人が「何か失敗したら言い訳をしないでまず謝りなさい」と親や先生に言われてきたと思いますが、まさにそれです。

今自分がやったこと、自分に起こったこと、そして起きてしまったことの全てに言い訳をしないということなのです。では、

 

何故そういう「言い訳をしない」人が成功するのでしょうか。

これには大きく2つの理由があります。1つ目は、

言い訳をしないことで自分が成長できる点を見逃さずにすむ

ということです。例を挙げると、あなたが起業し、企業を経営していけば必ず大事な商談があるでしょう。これを成功させれば自分の会社はより成長できる、より利益を得られるようになる、といった、会社にとって大きな転換期になるかもしれないような大きな商談です。

そのために相手会社に向かわなければならない際、当然自分は10分前には着くようにと計画して電車に乗ります。しかし、運悪く電車が遅延してしまい、大事な商談に遅れてしまったとしましょう。この時、当然私たちは人間ですから、遅れたのは電車のせいだと全てを電車のせいにしたくなります。一般論で言えば、自分は10分前に着くように電車に乗ったのだから確かに自分は悪くないと言いたくなります。

 

しかし、それでは当然その先に繋がりません。果たして本当に自分に全く責任は無いのだろうか?

一瞬全てを電車のせいにするのは構いません。しかし後からでも良いのです、少し冷静になった後に自分の責任は無かったのだろうか?と自分に問いただすことのできる人だけが成長できるのです。

それは何故かといえば、仮に全てを電車のせいだと結論付けてしまったなら、あなたは何も変化をする必要が無いのです。もっといえば、変化をしようとしないのです。電車が遅れたから自分が遅れた。電車が遅れなければ自分は着いていた。

 

しかしそれを正当化すれば、次回電車が遅延してもあなたは商談に遅れていくことでしょう。ただそこで、電車が遅れたけれども商談に遅れたのは電車のせいではなく自分の責任であると考えられたなら次からあなたは変化 するでしょう。

遅れてもいいように、より何本か前の電車に乗るかもしれません。遅れてもいいように、途中で降りて別のルートで行くことのできる方法をあらかじめ探しておくかもしれません。失敗した原因を全て自分の責任だと思うからこそ、こういった「次からはそうならないようにしよう」という考えが生まれ、成長することができるのです。

 

これは簡単な例ですが、起業する、経営していくプロセスというのは沢山の段階や行動によって成り立っています。当然その中には失敗もありますし、思うようにいかないことや上手くいかないことも次々に出てくるものです。そんな時に、その何かが起こるたびに自分には責任が無いと言い訳をしていたり、自分以外に責任の所在を押し付けていたなら、自分は全く変わらないままです。当然、企業・経営者であるあなたがもし変わらないのであれば、あなたが率いている会社もまた変わるはずがありません。

これをよく表わす例として、中小企業の社長で、「今は景気が悪い。だからうちの会社は駄目なのだ。景気さえよければこんなに 経営が上手くいかないことは無いのに」と言っている人はよくいます。勿論全員ではありませんが。

会社の経営が軌道に乗らないのは景気のせいだ、と言ってしまうのは簡単です。言いたくなる気持ちも分かります。しかし、現実的に考えれば景気が良くても悪くても、利益が出て経営が上手くいく企業とそうでない企業はちゃんとあります。そして、どんなに悪くても生き残っていく会社もちゃんとありますよね。

景気が悪い、ということを言い訳にしている、会社の伸び悩みや利益の落ち込みを全て景気の責任にしてしまう経営者ほど、自分の会社をそこで変えようとはしないのです。周りの環境に対して変わることを求めるだけで、自分自身が変わらない。そのため成長することもできません。当然それでは成功することなんてできないのです。2つ目は、

言い訳をしないことで他者からの信頼を得ることができる

ということです。早速例を挙げましょう。あなたの会社は外部からの発注を受けて期日内に納品するという仕事のスタイルをとっていると仮定してください。あなたの会社は外部から仕事の発注を受けましたが、運悪く他の発注も重なり自分たちの会社だけでは手が回りそうにありません 。

そこで、あなたの会社は仕事の一部を外注することに決めました。しかし、その外注する仕事というのがかなり締め切りがタイトで、明日の12時までになんとしてでも商品を納品しなければならな い。その時、あなたはどういう業者に外注しようとするでしょうか。

今まで外注してきた業者の中で、例えば依頼した仕事に関して納期が間に合わなかった際に「すみませんでした」という自分たち の責任を認める謝罪の前に「今回はあれが悪くて・・・これも悪くて・・・」と色々な理由を並べ立てて責任転嫁をするような業者に、次回からも依頼しよ うと思うでしょうか。

 

何か仕事を外注するということは、自分たちに託された信頼を他の人に託すということです。本来仕事ですから、納期が遅れるということそのものが信頼問題になるわけですが、そういう事態になったときにこそ「信頼」が 物を言うものですよね。どうしてもどうにもできない理由で遅れてしまった。そのことはもう取り返しのつかないことです。

けれどその時にどういった態度を任せてくれた人にとるのかということがその先を決めていきますよね。技術的にはまだ未熟であったり、経験は浅くても誠意のある態度を示すということが、次からも任せてみようか、信頼してみよう かそういう思いにこちらをさせるというのはみなさんもわかると思います。そして当然、それは同じことが自分にも言えるのです。

 

そして、信頼そして任せる、任せられるという関係は実はただの精神論ではなくビジネスにも直結します。小売業という職種は、簡単に言ってしまうと「他人から任される」という職業なんですね。その他人というのは、消費者であったり企業であったり、または社会であったりと様々ですが、どれをとっても小売業というビジネスはその分野を「任されて」成り立っているものなのです。

 

これは裏を返すと、いかに多くの人から「任される」のかによって利益や成功の度合いが変わってくるということです。そしてもっと言ってしまえば、いかに多くの人が自分たちに「任せたい」と思ってくれるかいかに多くの人たちに自分たちに対して「任せよう」と思わせられるかビジネスとは一人ではできません。一つの会社でもできません。周りがあって初めて成り立つものですから、その周りにいかに真摯に向き合うのか、ひいては何かが起こったときに自分の責任だと認められるかはとても重要なのです。

 

言い訳をしないというのは任せてくれる他人や社会にだけでは実はありません。これを読んでいる方は起業家・経営者を目指している方々だと思っていますが、経営者にとって最も身近な、そして最も言い訳をしてはいけない相手というのは社員に対してです。

社員というのはその会社の鏡だと言われます。そして当然、経営者の鏡だとも言われます。言い訳をして責任から逃れるというのはとても楽なことです。楽なことは真似もしやすい。そしてそういった言い訳をして責任から逃れる、という体質の出来上がってしまった会社は結局仕事を任せてくれるお客さんから も見放されます。最終的にはそういった会社が潰れていくのです。

 

ところで、少し話は逸れますが、あなたが経営者になった際に覚えていて欲しいことがあります。それは、経営者の悪いところが会社には伝染しやすいという点です。悪いところ、というものは楽なことが多いため、真似がしやすいのです。

そして真似をしても「経営者がそうだから」という言い訳ができてしまうため尚更真似がしやすい。ちなみにそれとは逆に一生懸命やっていることとはなかなか真似してくれないものです。それは当然大変だからなのですが。悪いところばかりが見えがちだというのはままあることです。そういった面をいかに見せないかということは、成功する経営者に共通する点であることは間違いないでしょう。

 

さて、

今お話してきた内部要因思考というものは、あなたが起業し会社を経営していくうえでとても大きな影響力があります。なにがあろうと、自分の会社に起こったことの全ては自分の責任である。最終的には自分が全ての責任を取る。そういう気持ちで常にいることはとても大事ですし、またそういう心持ちで常にいることで周りのことをよく見れるようにもなり ます。

経営者として常に責任を取らなければならない立場であるからといって、失敗の責任を取りたいわけではないですから必然的に社員の行動をよく見て、ミスの可能性を先に察知して責任を取らなければいけない場面そのものを起こらないように回避 していくそういう力も同時に養われていきます。一石二鳥というわけです。

 

あなたも起業したら多くの失敗を繰り返し、上手くいかない時期を乗り越えなければいけなくなります。全てが順風満帆、全くの苦労がなく成功していく人なんていません。最初はその原因を他のせいにして、自分の責任じゃないと投げてしまっても構いません。最初から全てをしっかりと背負い込むことができる人なんていませんから。

しかし、少し時間が経ったその時はその投げてしまった責任をちゃんと自分のものにしてください。そして、それに対して自分がどう変われるのか、どう変わっていくのかをちゃんと考えてください。

たとえ景気が悪くても、私たちが景気を良くすることはできません。景気が悪いのが自分のせいだなんて思うことは必要ありませ んし意味の無いことです。しかし、景気が悪いと言う状況の中で何が変われるのか、どう行動できるのかは考えられます。

少しずつで良いのです。少しずつ良くなって、少しずつ上手くいけるように。そういう思いで、内部要因思考というものを大切に考えていってもらいたいと思います。さて、成功する人の考え方の最後の1つは

 

「自分が弱者であることを自覚すること」

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です。これは一体どういうことなのかというと、我々が事業を始めて最初に位置するのはその分野の底辺であり、限りなく弱い立場であるということなのです。

その分野の上には既に多くの先人がいる。その人たちや会社たちを差し置いて、最初から強者になることはできないのです。この考え方は、実は先人がいないと思われがちなベンチャー企業にも当てはまることです。

 

仮にその分野には先人がいなかったとしても、先ほども述べたように、ビジネスは1人や1会社では成立しません。会社を大きくしていく、利益を上げていくためには自分たちよりも大きく、利益を上げている会社と取引をしていくしかないので す。その時に自分は弱者であるという自覚をしているのとしていないのでは大きな違いがあります。

以前大きな会社にいた、というような方が会社を立ち上げると、経営戦略として大きな会社、つまり強者の戦略を自分が立ち上げたばかりの会社でも使いたくなってしまいがちです。しかし、身の丈に合わない戦略は事業や会社を停滞させ、そしてずるずると下方に引き摺り下ろしていってしまいます。

 

個人の能力や、個人の資質だけ見ればみなさんどの方も優秀です。そして強者であるでしょう。けれども、みなさんが新しく作り経営していく事業と言うのは絶対的に強者であることはできません。そして、弱者は弱者なりの戦い方があるということを理解すればいつの日か強者になることができるのです。

まずは「自分が弱者であることを自覚すること」これをちゃんと持って、起業をして頂きたいです。

 

以上が、成功する人の考え方としてみなさんにご紹介したかった3つの考え方です。

さて、それらをベースとして考えた上で私たちが起業や経営を成功させるためにはフレームワーク、つまり全体像の計画が必要に なってきます。私たちがビジネスを成功させるために大切なフレームワークは、それこそ細かい点を言っていけばキリがありません。しかしある程度重要なフレームワークに関しては今後何回かを通して学んで行きたいと思います。

今回まず最初にお伝えしたいのは、一番大外にある大切なフレームワークです。これは常に考えておかなければならないものであり、方法であり方向性です。

それは一体どういうものなのかというと、先程述べた「我々は弱者である」という点が重要な点になっていて「小さな力をいかに最大限利用して効果的に使うのか」ということを考えるということです。そして、小さな力を最大限利用するために最も必要なことは「分散させない」ことなのです。

重点を絞って、的を絞る。これだと思うもの、そこに焦点を限りなく集中させていくことです。そのこれだと思うものというものがまず最初のフレームワークです。そして、それは実は経営において全てのプロセスで大事なことでもあります。

事業が大きくなればなるほど、やりたいこともやらなければいけないことも増えていきます。そんな中でも順番と優先順位、そして必ず一つ一つに焦点を当てて進めていくことが大事です。人間多くのことに集中を割くことは、本当に一部の特殊能力を持つような人ではない限り不可能です。多くのことに気を取られると、必ずどこかで失敗します。

 

ですから、一つ一つに焦点を当てて物事を進めていくことは自分の持つエネルギーを集中して効率的にそのものに費やせるという 意味で
一見遠回りに見えるようで一番の効率的な方法なのです。

また、目的となるものを1つに絞るのと同時に、そのことを進めていく上でも絞ったやり方をすることをお勧めします。これは言ってしまえば「上達の技術」とも呼ぶべきものなのですが、何かに取り組む時にそれが成功したビジョンをまず持ちます。

そして、大事なのはその成功したビジョンは一体何をすれば得られるのかを一つ一つ要素に分けて考えることです。その分けた要素の中で一番大事だと思うこと、または自分にとって一番得意だと思えることから始めましょう。人間は失敗した経験で成長しますが上手くいった経験によって力を得ます。

 

物事を上達させるためには「上手くいく経験」が必要であり、その為には多くのパワーが必要なのです。そのため、的を絞って行うことでパワーが集中し、より成功しやすくなる。その繰り返しによって上手くいくことが習慣化していくと、不必要な失敗をせずにすむのです。

そのため、まずは全ての物事において的を絞る、焦点を絞るということを心がけるようにしてください。広く浅く、ではなく「狭く深く」。これが物事を上手く進めていく上で大切なことなのです。

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