空間創造事業「UT SPACE」/SPACEに関わる全てを一つに!/前編
酔っ払っている、おっさんとの出会い!
何言うかと思ったら、「一緒にカラオケしよう」というふうに言われて、とりあえず、ノリで、何かあるかもしれないと思って、「分かりました」と言って、歌わされるんですけど、まったく分からないので棒読み。
歌詞をとりあえず、読むだけど、それが終わったあとに、「なんだ、お前できるじゃないか」と、「大川君、何やっているの」って言われたから、「僕は内装です」と言って、名刺渡したら、「なんだ、社長か」という話になって、そのスガワラさんが、「内装か、何かあったら連絡するわ」と言われて、名刺貰ったんですよ。その名刺見たら、専務取締役と書いてあったんですね。
薬局?とか思いながらも、作るという言葉と、僕、内装屋と言ったので、薬局の改装があって、クロスの貼り替えとかあるのかなという感じで、分かりましたと言ったんですね。でも、ちょっとほんとは、薬局作ってくんないと規模が違うんじゃないかなという感覚もあったんですけど、とりあえず、どっちにしても、ここで返事できますと言わなかったら、多分全部終わっちゃうだろうから、「分かりました。やらせてもらいます」と言っちゃったんです。
そこから、打ち合わせが始まっていく最中に、やっぱり気づいたんですよ。これは、クロスを貼るだけではなくて、何もないところに薬局を作る、お店1件を丸々作るという設計と施工の工事なんだと。そこに気がついて、泡食っちゃって、これやばいぞと。
「だ、大丈夫なんですか」と言ったら、「こんなの楽勝だよ。こんなもんでしょ。全然大丈夫」、何回もこんなのやっているからということで、そういうものなんだというふうに思って、「でも、大川さん方で、いろいろ業者も探さないといけないから、そっちも探してね。とりあえず、俺、設計のプラン立てるから、業者さん探しておいて」と言われて、「分かりました。どの業者さん探したらいいんですか?」という質問をしたら、「軽鉄ボードと、電気と、家具と、大工と、ガラスと、内装仕上げと、シャッター工事と、金物屋と」って言われるんですよ。
教えてもらって、メモって。こんなにたくさんの業者さんが関わるんだと。そのなかの1個の内装仕上げ、イコール、クロスなんですよね。僕はこのなかの1個じゃんと。今までやっていたことのスケールの小ささというのを、そこで目の当たりにして、さらに業者さん探さなきゃならないところで、会社に行って、会社と言っても、間借りしていたデスク一つだけなんですけど、タウンページ開いて、必死で探したんですよ。業者さんを。
京王永山駅の、サエキガラスさん見つけて、そこで電話したら、そのサエキの社長さんも気持ちいい人で、「そっか、そっか、困っているのか、いいよ、聞いてあげるよ」と普通に打ち合わせとかしてくれて、どんどん、そんな形で業者さんが集まっていって。
「僕は、そもそも、こういう仕事です」と言ったときに、向こうは、はい、はい、分かった、分かったという感じで理解してくれるんですけど、僕のほうが理解していない感じで、なんでそんなこと理解できるのかなという感覚だったんですよ。
そんなかたちでチーム編成終わって、伊藤さんという設計士の方と、お客様のところに行って、御見積書を出したら、「安いね、大川君」と言われちゃったんですね。安いねと。これならできるよ。お願いしますと。スガワラさんから発注、契約というものを初めてさせてもらって、金額450万くらいだったんですけど、お店1件作るのに。
これが何になるのかが全然想像がつかなくて、でも、伊藤さんが現場で指示をしているのを見て、こうやって職人さんたちとツーカーで喋れて、いろんなことを言って、職人さんがそれに了解、了解って、軽く答えて、ぱっぱぱっぱ進んでいくんですよ。僕の工程のときには、全てのものが全部出来上がっているんですね。
僕の工程というのは、表層のクロスを貼ったり、床を貼ったりとか、貼れば全部内装が仕上がるという状態だったんですよ。それ見て、すごいなと思って、単純に。僕が今まで習得した技術とか、そんなのより、もっと幅の深さもめちゃくちゃ、この建設業ってあるじゃんということに気がついていって、僕やりたいことが、そこで一気にシフトしちゃったんですよね。
ほんと、一速から六速くらい入った感じで、全然違う自分のなかでこうしなきゃというギアチェンジが入っちゃったんですよ。それから、そこで作ったお店も、スガワラさんに評価を貰って、「なんだ、大川君、しっかりできるじゃん」と言われて、そういうお客様が喜ぶ顔を見たのも初めてだったんですね。
やれないではなくて、どうやってやるんだろうという思考!
結果として、やれちゃったじゃんみたいな。もちろんみなさんの協力あってのことなんですけどね。そこに僕は前向きに向かっていく姿を見て、伊藤さんなんかは、「大川君、若くていいね」という話になって、めちゃくちゃ前向きでポテンシャル高いねという言葉とかも貰って、伊藤さんから貰う仕事も、その後、激増していったんです。
社員なしで、1人で初年度から5,000万!
いろいろやった結果、やっぱりどうしても一番最初に作った薬局のお店づくりの楽しさというのを全然忘れられなくて、その後に、伊藤さんという方から貰ったパチンコの仕事とか、商業に関わる仕事というのが、すごい面白くて、やっぱりお店の仕事をやりたいというふうになっていったんですね、自分のなかで。その仕事を取るために、自分は営業活動をすることを決意しちゃったんですよ。
2年目は売り上げがガタ落ちし2,000万まで。でも実はそれが種まき・・・
自分もお客さんとも会わなきゃならない、打ち合わせもしなきゃならない、見積もりもしなきゃいけない、現場も行かなきゃならない、請求書も作らなきゃならない。
入金管理、出勤管理も全部しなきゃならないというところで、だんだん無理が生じてきたというのも実際あって、そこら辺が転換期になっていって、一人じゃ限界があるなというのと、やっぱり効率よくやっていかないと儲からないし、給料も上げられないなと、この先もないんだろうなというところに2年目で気が付いていって、2年目の途中で人を入れたんですよね。
実績から、紹介紹介の連鎖が生まれる!
起業に興味はあるけど、何やったらいいか分からない人向けに何かアドバイスをお願いします。
思ったら、考えるんじゃなくて、思ったら行動という感じですよね。考えて、1分1秒経てば、どんどん変わっていくし、要は、ベストって永遠と出てこないんですよ。そのとき、そのときの、自分の考えって、じゃあ、1年後、5年後、10年後の自分から見たら、あのときはそんな考えだったよねと思うんですね。
自分が考えて、絶対ベストな答えが出ないんだったら、早く経験というものを積むほうがよっぽど僕はプラスになると思っていて。考えて結果が出ない、考えてうまくいかないのであれば、考えるだけじゃなくて、すぐに実践、行動ですよね。アクションを起こしていって、なんらかの失敗ないし、成功体験というのを、より多くするというのはすごい大事だと思うので。
単純にお金持ちになりたい、じゃあ、お金持ちになれる仕事って、なんなんだろう、これだと思う、と思うんだったら、2回、3回くらい考えて、それって決めたら、1回それやってみたほうが早いと思うんですよ、絶対に。やっていくうちに気がつくこともあるし、そこで得たものというのは絶対プラスにしかならないので、そこで悔しい思いをしたりとか、失敗を繰り返したりとか、逆に成功体験を得ることでまた自分の考えが研ぎ澄まされていくと思うんですよね。
ほんとに学びの連続だと思うんですよ。でも、それが人から得た学びだけではなくて、実体験の自分が体験した学びというのが、すごい大事になってくるので、その体験をいち早く、人1倍、2倍、3倍ってやれるようなサイクルを作っていく、そういうふうに飛びこんでいったほうがいいのかなと思いますけどね、僕のなかで。
初めのスタートの資金は、どれくらい用意したほうがいいですか?
今後の御社の事業展開、仕事上でも夢を教えてください。
どれだけ特化して、どれだけ人に喜んでもらえるかというのが仕事だと思っているので、僕らが作ったもので幸せになる会社だったり、そういう人をどんどん増やしていきたい。そのためにやれることって、ただ空間を作るのではなくて、さっき最初のほうに言ったように、その人たちが将来どうしたいのか、どうなっていきたいのか、その出会った人の先まで考えたような空間づくりのスペシャリストになっていきたいというところもあります。
もう1個は、この業界のなかでトップ取りたいという気持ちもあります。でも、そのトップの取り方というのも、売り上げをトップとか、利益をトップとかと言うよりも、まず、「あの会社いて良かったよねと言われることなのかな」と、そこの一言に尽きるのかなと思っていて、「ユニオンテックが建設業界にいたから、今こういうところがこうなったよね」とか、「ユニオンテックと会って、あのときの出会いで、俺らって、こうなったよね」とか、そういう言葉を貰える会社にしたいなというのが非常に強くて。
建設業界のなかでほんとになくてはならない会社になるというところが僕のなかのほんとに到達、絶対したいと思っているところですよね。社会のなかで存在し続けられる状態に持っていけたとき、個人は一代ですけど、起業は末代で永遠と引き継げるものじゃないですか。
そういうかたちになっていけば、僕がいなくなっても、ちゃんと社会のなかで引き継げる存在価値がある会社になるのかなと、そこまでやりたいというのがありますね。
起業を考えている方々へのメッセージをお願いします。
例えば、自分は飲食店をやるのであれば、自分は出会ったお客様に美味しい食事を提供する。これが多分、一番大事にしなきゃいけないことだと思うんですよ。
そこのただお金持ちになりたいとか、ただ事業をうまくいかせたい、ただ会社を良くしていきたいということよりも、多分一番大事なのって、そういう原点にあって、自分一人という起業家がいるとするのであれば、「誰に何を提供して、どうその提供した人に思ってもらいたいか」ということを一番大事にしてやると、結構シンプルに自分の事業って、自分自身も理解できるし、相手にも伝わりやすいのかなと思うので、そこの部分だけは、しっかり軸を持って起業してほしいなと思いますね。
事業の拡大とか、よくなるときというのは、自分が提供しているものが、より多くの人が喜んでくれる。もしくは、同じ人たちが常にずっと喜んでくれる。常にあなたを必要としてくれる。あなたが責任者である会社を信用してくれる。その会社とお付き合いをしたいと心から思ってくれる状態というのが、起業して事業を運営していくなかでの会社の価値に変わっていくと思うので、そこら辺を作っていくためには、まずやっぱり自分が誰に何を提供して、そして、その提供した方にどう思ってもらいたいのかということを追求していくというのが、本質的なことなのかなと。
そのきっとやり方とか、攻め方とか、手法はたくさんあると思うんです。その手法というのは、ほんとに毎日いろんな経験を通じて、間違えてもいいし、失敗してもいいから、どんどんブラッシュアップして、変化させていくべきだし、決めつけも良くないと思うんですね。それは時代の流れも変わるし、人一人の価値観というのは、10人いたら十人十色という言葉があるくらい、皆さん違うので。
どこまで自分が対応して、誰にどこまでに提供できるか、喜ばすことができるのか、その多分、せめぎ合いだと思うんですよ。なので、そこに関しては、実体験をもとにどんどんどんどん自分が提供するものをブラッシュアップして、よりいろんな方に喜んでもらえるような商品づくり、サービスづくりをどんどんできれば、きっと事業って拡大もしていくし、うまくいくと思うんですよ。
あと、もう1個はそれだけではなくて、自分だけの力じゃどうにもならないときが絶対出てくるフェーズに来るんですね。そのときを描いたときに、どの人にも出会った人全てにちゃんと向き合って、それがもしかしたら将来のお客様になるかもしれない。
将来の従業員、社員になるかもしれない。将来の自分を支えてくれる人になるかもしれないので、そういう変な偏見を持たずに、いろんな人にどんな角度からでも見られても、自分が同じ振る舞いができるように、そういうところも非常に大事な人間としての一つの大事なポイントだと思うので、そこら辺は意識をしてやっていくと、自分という人格もだんだんだんだん形成されていくと思うので、その2点ちょっと大事にしてやっていったらどうかなと、そう思います。
起業におすすめな本/社長の「1冊」
飛躍企業11社の秘密!!ごく普通の会社が、世界有数の経営者に率いられた超一流企業に勝るめざましい業績をあげるまでに変身した。全米1435社の中から選ばれた傑出した業績を長期間持続させることに成功したジレット、フィリップ・モリス、キンバリー・クラーク、ウェルズ・ファーゴ等の飛躍を遂げた企業11社をそれぞれの業種で競合関係にある企業と詳細に比較・分析した結果、飛躍したこれらの企業には共通した以下のような特徴があった。
ユニオンテック株式会社 代表取締役社長 大川 祐介 1979年、静岡県生まれ。18歳のときに内装業界に飛び込み、2年半にわたって職人として修業。2000年に独立してユニオン企画有限会社を創業、内装仕上げ工事業をスタートさせる。2004年事業拡大を機にユニオンテック株式会社に商号変更。現在は企画・設計・施工をトータルで行う空間創造事業と建設業界を活性化していく建設業界成長支援事業を手掛ける。2016年には本社を稲城から新宿オペラシティに移し、さらなる業容の拡大を実現している。 |