第33回:大手企業役員への対面提案!直接提案を実現致します/後編

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大手企業役員への対面提案!直接提案を実現致します/前編

 

クラブに来るお客の7割が、女の子でなく自分目当てで来る理由とは?

松本
オープンして満席になって、そこから順調に?
内田社長
いやいや、今度は満席なんだけど、その人たちに話しかけようとするわけですよ。僕は。社長どんな仕事しているんですかとか、何考えているんですかとか、だって聞きたいから。

 

松本
そうか、もともとはそれですよね。
内田社長
その目的のためにクラブやっていたので、話しかけると、全員から睨まれるわけです。お前と話したくないと、僕は当時30歳でクラブオーナーです。お客さんから見たら、非常に面白くない、超嫉妬される立ち位置なんですよね。

 

松本
お客さんも普通に飲みに来ているわけですもんね。
内田社長
もちろんお客様は女の子と話したいためにお金払っていて、しかも、今まではママたちの店だったのが、いきなり若造に乗っ取られちゃったように見えるわけじゃないですか。そんな僕に話しかけられて笑顔で話してくれる人なんて誰もいないですよね。お前どんな手を使って、あのママを取りこんだんだという感じでよく言われないですよね。だから、僕が店にいると、お客さんが不愉快になっちゃうから、居場所がないわけですよ。

 

松本
そんな立ち位置だったんですね。
内田社長
そうです。これってまずいなと思って、なんのためにやったか分からないじゃないですか。店にいられないんだから、どうしたら店のお客さんが内田目当てに変わるかなと、今までは女の子目当てじゃないですか。内田嫌いなわけですよね。でも、これって駄目でしょ。僕はまたある試みをし、1ヶ月半後には、お客の7割、僕目当てに全部変えたんですよ。

 

松本
それも1時間くらい(笑)
内田社長
かかっちゃうんですよ。すぐできないから。だから、びっくりですよね。女の子たちも、今までだったら、誰々さん、今日入っていると聞かれるのに、内田社長、今日店来るのと聞かれるから、えーみたいな、社長一体昼間何やっているんですか、僕の昼間の活動に意味があるわけですよね。

 

松本
逆で内田さんいなかったら、いないんだ、じゃあいいやみたいな。
内田社長
ということも出てきちゃう。それくらい僕と会いたくなるんです。みんなが。

 

松本
ちょっとだけ。
内田社長
それは社長たちが興味を引くものって、女性よりも売上アップだからですよ。社長が喜ぶようなネタを僕が提供したからですよね。だから、僕と先に話したいんですよ。

 

松本
先にこっちが与えてあげた。
内田社長
店に来てくれるお客さんだからね。その会社の社長たちが喜ぶような活動とかを定期的にするようになったんですよ。そうすると社長たちは僕と話を先にしたくなっちゃうんですよ。

 

松本
それは30まだいっていない。
内田社長
30歳です。

 

松本
面白いですね。
内田社長
そういうところから僕は社長という生き物をどんどん分析し始めているから、ものすごく心理が分かるんですよ。社長の。じゃなきゃ、今の仕事できないですよ。

 

30歳で元銀行員でクラブのオーナーと話題に!

松本
そうですよね。じゃあ、それで内田さんのほうにシフトして、そこからはいい感じで進んだんですか?
内田社長
そうすると、いろんな社長と仲良く、当然していますと、いろんなお客さんが噂で僕のお店に来るんですよね。当時30歳で元銀行員でクラブのオーナーなんて、誰もいなかったんですよ。

 

松本
経歴も面白いですよね。
内田社長
話題なんですよ。新聞にも結構大きくでたし、それでそんな人たちが僕に対して、うちの会社来いとか、一緒に仕事やろうとか、お前何者なんだとか、ものすごい興味津津なんですよね僕に。

 

それでそのなかでもっとも僕の世界が広がりそうな人と組もうと思ったんです。別にクラブやりたいわけじゃないから、それが日本ベンチャー協議会という、ベンチャー企業を300社ネットワークしている会の専務理事だったんですよ。その人と僕は出会ったわけです夜の世界で。

その人も僕に、内田君面白いねと、君の昼間の時間を月50万で買うから売ってくれないかと、夜は今まで通り店やっていていいよと。得だなと、いきなり50万アップするから、やりますと。

 

松本
そういう提案があったわけですね。
内田社長
ただ何するか聞いていなかったんですよ。昼間は50万ということしか。

 

松本
内容は聞いていないと。
内田社長
なんだろうと思って、会社で話を聞いたわけですよね。そしたら、名簿を渡されたんですよ。その人がやっている会員さんの名簿ですよね。当時60社しかいなくて、その60社が月々10万円払っていたんですよ。

 

松本
ベンチャー企業の名簿ということですよね?
内田社長
そうです。ベンチャー企業のオーナーたちが60社いて、1社月々10万円払うという、なかなか高いじゃないですか。会にしては。そのトップを彼がやっていたわけですね。その人の僕に名簿を渡してきたんです。60社の。そこにはHISとか、ドンキホーテとか、セガサミーとか。光通信とか。

そういう大きい会社がいっぱい入っていて、何すればいいんですかと聞いたら、この60社に全部電話かけて、社長に会いたいと言って、社長と会って、話ししてきてくれと、1時間、何ですか、それと、それで困っていることを聞いて、紙にまとめて、毎週俺に報告してくれと、それだけやってくれたら月50万払うと言ったんですよ。なんだと、ハテナと、あまり聞いたことない仕事なんですよ。

 

でも、それで貰えるんだったらと。いきなり外線かけて、ドンキホーテ、安田社長いますかと、あなた誰ですかと、全部そうなりますよね。「日本ベンチャー協議会の専務理事から会ってこいと言われたんですと、とりあえず1時間、時間ください」というふうに、片っ端からアポ取って、全部訪問したんです。どういうことに困っているのかとか、どういうことに興味があるのか全部聞いて、紙にまとめて、毎週1回報告したんですよ。それを2ヶ月やったんです。

 

そしたら、ほぼ全部回ったんです。60社。そしたら、お前すごいなと、よく1対1でこんだけでかい会社の社長といきなり話をして、こんだけのことをヒアリングできたねと、僕のヒアリング能力が高かったんですよ。だって知らない人じゃないですか。

しかも自分より歳が上、格も上というところに、いきなりアポを取りに行って、1時間場を盛り上げて、ヒアリングして帰ってくるって、つまらなかったら、すぐ帰れと言われて終わっちゃいますから、というのを僕はやったわけですよ。僕は銀座でクラブやっているから接客が得意なので、あまり難しくないわけですよね。

 

松本
じゃあ、ベンチャー協議会の専務理事の人はそのヒアリングが難しいんじゃないかなと思っていたわけですか?
内田社長
力試しですよね。僕の。面白いことやっているけど、トップと話せるのかこいつはと。

 

松本
どんなもんじゃいと。
内田社長
そうです。言い訳の一つもなく、黙々と達成するわけだから。

 

松本
別に困っていることとか聞いて、それを何かサービスとして提供しようとか、そういうことではなかったと。
内田社長
ゆくゆくはそういうことしたかったんでしょうね。でも、困っていることって、なかなか初対面の人に話さないんですよ。しかも、そんな若造に、なんでお前に話すんだと。そこで僕は目に留まったんでしょうね。お前いいと、店辞めちまえと、俺の会社の秘書になって、その会の事務局長になり、俺の人脈を全部持っていけと。

 

松本
すごいですね。いきなり。
内田社長
2年間、一生懸命、内田頑張って、この全人脈を持って独立しろと、そうすれば何やったってうまくいくぞと言われたんです。それいいなと思って、それでクラブ辞めようと、それでクラブ辞めて、日本ベンチャー協議会の事務局長に就任したんです。

 

松本
面白いですね。
内田社長
ここら辺から驚異的に人脈が広がっていきますよね。

 

松本
それはじゃあ、ベンチャー企業専務理事から、どんどん紹介を受けてみたいな感じで。
内田社長
専務理事から紹介というか、まず会のメンバーが60社いるから、これを300社に増やしたいと言ってきたわけですよ。その専務理事は僕に。彼はミッションだけしか言ってこないから、目標だけしか、あとは自分で考えてやってくれということなんですよ。だから、僕はいろんな手を使いながら、会員増強させたわけですよね。だから、僕が辞めるときには330社まで増やしたから。

 

松本
達成したんですね。それ何年くらいやられたんですか?
内田社長
3年くらいですね。

 

松本
約3年くらいで60から300。そこ3年やって独立?
内田社長
そうです。そこで株式会社就職課という、大学生の就職支援の会社を作った。34歳のときに。

 

松本
それはどんなサービスですか?
内田社長
大学生の就職支援の会社なので、企業からお金を貰って、大学生を紹介するとか、もしくは、大学生向けの新聞を作っていたので、そこに広告を取るとか、そういう仕事ですね。

 

松本
それは今のTOP CONNECTとは、また別?
内田社長
別です。それも2010年に他人に譲渡しちゃったので。

 

松本
その就職課はうまくいった感じなんですか?
内田社長
最初良かったんですけど、リーマンショックでちょっと調子悪くなっちゃいましたね。

 

松本
波乱万丈があったわけですね。
内田社長
そうそう。

 

大企業へのトップダウン営業を支援

松本
そのあとにTOP CONNECTを設立して、そこでは最初に言っていただいた事業内容が主に。
内田社長
そうですね。トップと直接提案できる。

 

松本
どんな提案が?
内田社長
営業できる。要は、これ売り込みたいとか、うちのサービス使ってくれませんかとか。

 

松本
でも、大きい会社ばかりですよね。
内田社長
そう、だから、決まると大きいから。

 

松本
そうですよね。大きな会社はいろんなのあると思うんですけど、どんなことで困りごと。
内田社長
困っていても困っていなくても社長って、いいと思ったら発注するんですよ。例えば、松本さんだって、別に洋服がなくて困っていないでしょ。

 

松本
困っていないですね。
内田社長
だけど、面白い洋服じゃん、これと、かっこいいじゃんと買うじゃないですか。だから、困っていることじゃなくてもいいんですよ。

 

松本
そういうことですね。
内田社長
人って困っていなくても買うから。

 

松本
じゃあ、提案が面白かったらいいよって。
内田社長
それうちにとってメリットじゃんと思ったら発注しますよ。

 

松本
今まで、どんなサービスで依頼みたいなのが来たりしましたか?
内田社長
お花屋さんがうちの花使ってくれというのもあれば、ウェブを作っている会社がうちのウェブでホームページ作りませんかというのもあれば、コピー機安いですよから、ありとあらゆる営業ですよね。

 

松本
普通の営業もいっぱいあるわけですか?
内田社長
そう、社長の資産運用どうですかとか、社長に営業できないですもん。普通は。

 

松本
そうですよね。そんな大きな会社。
内田社長
できないですよ。どんなにお金積んでもできないですよ。だから、うちと契約するんですよ。みんな。

 

松本
面白いですね。

 

これから起業する方で、まだどんな分野に進もうか迷っている方向けにアドバイスをお願いします。

内田社長
そもそも視点が間違っている気がしちゃうんですよね。僕は。自分がやりたいことをやるのは趣味だと思っていて、そんなことより世の中が必要としてくれていること、もっと言うと、目の前の会社が必要としてくれていることやれば仕事になるんですよね。

だから、何しようかなって、好きなことやろうとしているじゃないですか。それは僕うまくいかないと思っているんですよね。そんなことより人から頼まれたこと、これやったほうがお金になりますよね。

 

松本
好きなことというよりは。
内田社長
頼まれたことです。人から。それというのは、あんただったら、こういうスキルがあるから、これやってと頼まれるじゃないですか。自分の力って、みんな分かっていないから、自分がやりたいことって、人が求めていることかどうか分からないじゃないですか。それって、成功確率少ないんですよね。やっぱり。

 

松本
じゃあ、頼まれたことが好きだったらベストみたいな。
内田社長
それは最高です。頼まれないということは何も、力がないということです。だから、アウトプットするものがない人って、外へ外出できないでしょ。何かをアウトプットすることによって対価を貰う行為じゃないですか。

だから、アウトプットするものがしょぼかったら、誰もお金払わないでしょうね。ということは起業する前にアウトプット力を磨かないと何やってもうまくいかないでしょうね。

 

最初の資金はどれくらい用意したほうがいいですか?

内田社長
お金なんて100万もあればいいんじゃないですか。何も使わないですよ。お金なんて。

 

松本
人脈さえあればみたいな。
内田社長
だって、家賃なんていらないし、人の家に入ればいいし。

 

松本
100万もいらないかもしれない。
内田社長
いらない。使うものないと思うんですよね。だから、僕も会社作ったときに、1年間家賃1円も払っていないし、机もパソコンも全部貸してもらったし、タダで。

 

今後の事業展開、仕事上での夢を教えてください。

内田社長
僕らは今、地方創生とかいう言葉が今ヒットしているじゃないですか。地方を盛り上げるとどういうことかと、僕の定義ね。地方の会社が売上がまたアップしてくれば、これ盛り上がるんじゃないかと思っていて、どうやってやったら地方の会社が盛り上がるかというと、東京の大きい会社に営業かけて、案件が決まれば盛り上がるじゃないですか。

 

松本
それはそうですね。
内田社長
ですよね。だけど、地方の会社って、東京の会社に人脈ないんですよ。営業できないんですよ。だから、僕らは地方の会社が東京の上場会社に営業できる場を作ろうと思っているんですよ。

そうすることによって、地方の活性化を図ると、これができたら今度は世界展開ですね。世界の会社が東京の上場会社に営業したい、でも普通だったらピンポイントでいきなり飛び込み営業ですよね。すると、社長は出てこないですよ。それを僕らが取りまとめることによって、東京の上場会社の社長に営業かけられるハブになろうと思っているんですよ。そういうモデルですね。

 

松本
いいですね。夢広がりますよね。
内田社長
そうですね。超画期的ですよ。営業革命ですから。

 

松本
内田さんだからこそできる。そんな感じですね。
内田社長
これやろうとしているんですよ。

 

起業を考えている方へのメッセージをお願いします。

内田社長
まず売上がなかったら会社は潰れると、これは胸に刻まないと駄目ですね。みんな、楽しいか楽しくないかとか、そこじゃないんですよ価値が。売上があって利益があって、自分が給料取れて、社員に給料払えているのかと、これやらないと潰れちゃうということですよ。休みがどうだとか関係ないんですよね、起業って。

ということを僕はやっぱりまず覚えてほしいし、あと、アウトプット力ですね。さっき僕が言った通り。あなたは一体世の中にどういう価値を提供するんですかということですよ。それがそこらにゴロゴロ転がっているようなものだとすれば、そんなに発注こないよね。そこはやっぱり考えなきゃね。このくらいじゃないですか。

 

松本
じゃあ最後にですね。人脈づくりの第一歩はどこからスタートすればよろしいでしょうか?
内田社長
人脈づくりの第一歩はまず自分の人間性を高めることですね。

 

松本
人間性を高める?
内田社長
多くの人、僕に、どこにいったら人脈できるんですかとか、どこにいっても、あなたじゃ無理だということです。目の前にビックな社長がいても、今のあなたじゃ人脈作れないよと、なぜなら年上、格上のビッグな社長たちはどういう人と仲良くしたいのか、どういうことに興味があるのか理解しているんですかと、あなた、それ満たしているんですかと、満たしてもいないのに目の前にいって、挨拶したって無理ですよね。それを教えたいよね。

みんな交流会に行けばいいと思っているから、交流会行ったって無理だと、気のせいなんですよ。あれ。自分と同じような温度差、温度感の人と仲良くなるだけですよ。だから、小さい人は、会社がね、小さいもの同士仲良くなるだけなんですよ。全然広がらないですよね。

 

松本
すごい人も来てそうなイメージも、あまりないですもんね。
内田社長
そうなんです。来ないんですよ。もしくは、来てもゲストで来るんですよ。でも、ゲストで来ても仲良くなれないんですよ。自分に腕がないと、だから、まずは腕磨こうぜと、アウトプット力つけようよということを言いたいですよね。

 

松本
ありがとうございます。本日のゲストは、TOP CONNECT株式会社 代表取締役社長 内田雅章さんでした。ありがとうございました。
内田社長
ありがとうございました。

 

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TOP CONNECT株式会社 代表取締役社長 内田雅章

1970年、愛知県生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、三和銀行(現・三菱東京 UFJ銀行)入行。システム部、東京本部審査部等を経て、2000年に退行。その後、マンションンデベロッパー、仕出し弁当販売、銀座のクラブ経営などを経て、日本ベンチャー協議会事務局長に就任。そこで培った社長ネットワークを活かし、2004年㈱就職課を設立。

現在は人脈を切り口とした新規事業創出および事業アライアンスのコンサルティング業務や執筆・講演などの活動を行う。また2014年、TOP CONNECT(株)を設立し、トップダウン営業支援に特化したサービスを提供。

主な著書に『図解「人脈力」の作り方』(講談社+α文庫)、『政治屋失格』(ビ ジネス社)、『5つの仕事力』『伝説の就活』(ゴマブックス)他多数。