起業で使える助成金・補助金! 平成30年どうなる? 全国・東京・大阪その他

起業

From:松本泰二

起業のためには資金が必要です。ビジネスは最初の投資が肝心。資金力がある企業が異業種に進出しても成功するのは、豊富な資金で人材とノウハウを取り込むことができるからです。サイト1つとっても、クライアントからすれば、クリエイティブな方がいいでしょう。安心します。何だか上質なサービスが受けられそうに感じます。

 

では、資金がないと豊富にないと起業できないのか。答えは「否」。

返済が必要な融資とは違い、創業時や創業後に使える返済義務のない助成金・補助金を正当に受けることで、可能性を広げることができます。サービスを向上させ、社会に貢献できます。

 

公的な支払いは、こちらが支払う側だと烈火のごとく請求がきますが、受け取れる側だと沈黙。教えてはくれません。世の中の恩恵は、知る人のために存在します。

助成金・補助金のことを知ることで、起業を有利に進めていきましょう。

 

全国の主なお役立ち助成金

■中小企業雇用創出管理助成金

中小企業の大きな課題である「人材」の雇用に必要な資金の助成です。優秀な人材確保には、経費がかかるものです。雇用の創出に活用できます。

 

【受給できる額】

雇用管理改善事業に要した額の2分の1。最大で500万円。実施計画の期間内に費用を要する計画を終わらせ、完了の1カ月以内に必要書類と申請書を「最寄りの都道府県労働局」に提出。

※以前は「雇用・能力開発機構都道府県センター」が受け付け先でしたが、現在は廃止され、名称を変えた「職業能力開発促進センター」などでは受け付けていませんのでご注意を。

 

【助成の対象となる活動】

採用に関する、パンフレットやホームページの作成の外部委託。適性検査、カウンセリング、OJT研修などの費用。コンサルタント会社への委託事業、その他、雇用管理の改善活動。

※詳細:http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/d01-1j.pdf

 

■キャリアアップ助成金

起業をして、お手伝い程度で働いてもらっていた方が、会社の軌道に合わせて、正社員として働いてほしいと思っても非正規雇用とは違い経費が問題です。非正規雇用から正規雇用にキャリアアップさせるときなどに助成を受けることが可能です。

 

【受給できる額】

コースで限度額に違いがありますが、最大で1人あたり72万円、1事業所で1,000万円。1年間の人数上限は15人まで。該当するコースに合わせたキャリアアップ計画書を「最寄りの都道府県労働局またはハローワーク」に提出。提出はキャリアアップさせてアップした給料を該当労働者に6カ月支払った翌日の2カ月以内。

 

【助成の対象となる活動】

正社員化、人材育成、賃金規定等改定、健康診断制度、賃金規定等共通化、諸手当制度共通化、選択的適用拡大導入処遇改善、短時間労働者労働時間延長の8つのコースに労働者が該当する場合。

詳細:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000169218.pdf

 

平成30年の補助金の見通し

補助金に関しては、年によって変わることが多いので、こまめにチェックしておきましょう。政府動向や首相発言がヒントになります。日ごろから、社会に目を向けて世の中の流れを予想することも、起業家には重要です。

 

■創業補助金(創業・事業継承補助金)

地域の活性化や新しいアイデアを使い、新たな雇用を創出するプランを公募で集め、最大で200万円の補助金を出す制度。平成29年度の採用は、応募総数739件に対して109件。「セーリングヨット型ドローンの開発・事業化」、「東洋医学の治療を行う動物病院」、「ママによるママのための美容室創業」などアイデアは多岐に渡りました。政府動向から予想すると、平成30年は、名称を変えるのみで継続されるでしょう。

 

■IT導入補助金

 中小・零細企業がITツールを導入する一部経費を補助する制度。平成30年1月現在、新たな募集や予定などが発表されていません。正確なことは春頃にならないと分かりませんが、閣議決定(http://www5.cao.go.jp/keizai1/package/20171208_package.pdf)の中で、約100万社のIT導入を促すとする政府見解が発表されているので、継続されるのではないでしょうか。

ほか、通称「ものづくり補助金」と呼ばれる、中小・零細企業の生産性の向上を目的として平成29年に実施された「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」の平成30年の公募が開始して終了しています。補助金制度は、公募時期が短く、広告をしていないことが多いので、起業には各種セミナーなどで横のつながりを増やし、情報が自然と入る環境作りが重要です。

 

東京・大阪の助成金・補助金

助成金・補助金は国だけのものではありません。各自治体や法人でも行われています。その中で今回は、東京・大阪・熊本で行われているものを紹介します。

 

■東京の助成金

公益財団法人・東京都中小企業振興公社が創業活性化支援事業を行っています。具体的には、創業支援事業(助成金)、新しいビジネスを支援する施設整備、運営費補助費用を通して、都市開業率の向上を図っています。ほか、「TOKYO支援塾」による創業支援プログラム、プランコンサルティングや女性専用の女性起業ゼミを開催。ゼミでは少人数制で、アイデアの実現に向けてアプローチしていきます。「プチ起業スクエア」で女性を応援する活動も行っています。

平成29年度に創業事業で採択を受けた起業は、「ベビー用品に新しい選択肢を取り入れた、ベビー用品のレンタル・販売」、「AI知財問題解決ソフトウェア販売」、「母親だって起業できる。デリ惣菜のお店」など。助成金の交付額は、事業の経費などで変わりますが、限度額は300万円。

TOKYOU創業ステーション:https://www.tokyo-kosha.or.jp/station/services/sogyokassei/

 

■大阪の助成金

大阪府では、子どもが音楽などの文化的な発表・活動を実施する団体・個人に最大で30万円まで交付する「輝け!子どもパフォーマー事業」を行っています。ビジネスを前面に出した起業だけでなく、特技や趣味の延長で始めた子ども向けの音楽教室などを開業した場合でも、自治体によっては補助金を受けることが可能です。同助成金の申請期間は、2月8日まで。平成30年4月1日から平成31年3月31日までに事業を実地する必要があります。

大人を含めた劇場などの文化的な事業に関しては、「大阪府芸術文化振興補助金」で最大100万円までの助成を受けることも可能です。

大阪府:http://www.pref.osaka.lg.jp/bunka/news/kodomo_p.html

 

■その他地域の助成金・補助金

日本全国を見ると、地域の寄って独自の助成金・補助金で創業を支援していることが分かります。その中でも、随時募集のものを3つ見ていきましょう。

・北海道釧路市「空き店舗等活用促進事業補助金

【概要】

市内の空き店舗へ新たに出店する事業主に対して、経費の2分の1、最大で50万円までの補助を行う制度。空き店舗の活用と商業の賑わいを目的としています。

空き店舗に新規で入店する際の補助金は、日本全国で行われています。店舗型の起業を進めている方は、ぜひとも活用してください。

 

・秋田県美郷町「本社機能移転促進支援事業補助金

【概要】

町外から本社機能を秋田県美郷町に移転すると、最大で100万円、新たに町民を正規雇用した場合は1人に付き50万円の補助を受けることができます。平成32年3月31日までの制度。町内の活性と雇用増進を図ることが目的。

 

・京都府京丹後市「創業等支援補助金

【概要】

市民かつ市内に重要を置く企業を創業または新産業の創出に最大で100万円、経費の4分の1を補助する制度。意欲的で創造的な活動の支援を図る目的。

 

また、震災のあった熊本では被災された企業の「熊本地震対策型」と呼ばれる助成金は引き続き行われる見通しですが、平成30年の創業に関しての助成金・補助金は計画されていません。

 

最後に

助成金・補助金の大多数は申し込み期間が短く設定されています。必要な書類にも制度によっては煩雑になるでしょう。しかし、得られるメリットは大きく、返還義務のない現金を手にすることができます。せっかくのアイデアを眠らせたままにしないためにも、大いに活用して、夢を諦めないで羽ばたいてください。

 

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