代行ビジネスは家事・運転だけ? 起業家必見の市場規模拡大中の業界

起業

経済産業省の平成26年の「家事代行サービスについて」の資料を見ると、2011年の市場規模は811億円ですが、将来的には6,000億規模の市場と推計。代行サービスの中で家事代行だけでも、現在のソーシャルゲームと同じ規模の市場になる見通しです。

代行サービスとは、その名の通り個人や企業に代わって業務や事業の一部を代わりに行うサービスを指しますが、一口に代行と言っても様々なサービスがあります。

 

店舗を構えず、パソコン1台、電話1台、1人でできる投資の少ない起業としても人気です。あなたのスキルにビジネスチャンスが転がっているかもしれません。どんな代行サービスがあるのか見ていきましょう。

 

ビジネス系代行サービス

 会社員として経験したことで、そのまま起業できる可能性があります。ビジネスの場や生活で培った経験を活かせるものばかりです。

 

営業代行

 中小零細企業では、悩みなのが販売力です。いい商品が口コミで広がり自然と売れるわけではないのが、ビジネスの難しいところ。経験豊富な営業社員を求人して雇用するには、経費や時間が掛かってしまいます。そんな時に便利なサービスです。特定の分野だけでなく、何でも売れる営業力があれば、ビジネスとして成立します。

 

幹事代行

同窓会や結婚式の二次会……誰に頼むか悩む、頼める人がなかなか見つからない、そんな多くの人の悩みをビジネスに変えたサービス。幹事代行だけでなく、写真撮影、フォトブック制作、ベビーシッター、ネット同時配信、余興や景品などのサービスで付加価値を付けることができるのも魅力。

 

助成金手続き代行

煩雑な助成金申請を代わりに行ってくれるサービスです。社労士の専売特許のようですが、コンサルタント会社として代行可能です。助成金の存在を知らない人も多いというので、潜在ニーズは計り知れません。起業コンサルと合わせて、助成金の申請のお手伝いができれば、需要は高いと言えるでしょう。

 

家事代行

買い物、掃除、洗濯、料理など家事は重労働です。身体を壊した、休日を家事で潰したくないなど需要が高まるばかりです。主婦として働いていると自然と身に付いているスキルが、そのまま役立ちます。当たり前と思っている家事のコツも、意外と知られていないことが多いもの。丁寧な仕事で、お客様の心もスッキリとさせることができるビジネスです。

 

オークション代行

ヤフオク、Amazon、メルカリなど国内ECサイトへの出品代行から、海外のebayなどのサイトから日本で高く売れる商品の輸入を代行するサービス。せどりで実績があれば、今度はコンサルタントで力を発揮できるでしょう。オークション代行としてのニーズだけでなく、海外サイトで買い物をしたい人の需要もあります。とくに、海外の化粧品が人気です。

 

定着化した代行

以前は自分がするものだと言われてきたものですが、時代の波はビジネスを変えていきます。大きく成長しているジャンルばかりです。

 

墓参り代行

お墓が遠隔地にある、親せきが少ない、行きたくても行けないなどで親類者に代わってお墓参りをするサービス。墓参りだけでなく、周りの草むしり、墓石の清掃なども行います。お墓参りが終われば、キレイになったお墓の写真を撮影します。ご先祖様もきっと喜んでくれます。

 

宿題代行

学校の宿題は自分がするものだと思うかもしれませんが、ビジネスとして成立します。夏休みが繁忙期。もちろん、子どもからの依頼ではなく親からの依頼。受験勉強で忙しいので、学校の宿題は代わりにしてもらうというスタンス。文科省は「望ましくないが、業者に辞めさせることはできない」とする立場を取っています。

 

レンタル系代行

衣装やアクセサリーなどの物ではなく、人をレンタルするサービスのニーズも高まっています。

 

家族・恋人代行

父、母、旦那、妻、兄弟、姉妹、子どもなど色々な事情があり、必要とする場面は多くあります。絶縁状態、面接に同伴が必要などを理由に需要があります。また、恋人として友人に見せたい、結婚しろとうるさい親に見せたいなどを理由に恋人レンタルや飲み会や合コンの人数合わせでフレンドレンタルのサービスも行われています。

 

リア充アピール代行

Twitterやインスタグラム、FacebookなどのSNSに生活が充実している様子をアップするために、人材を派遣する代行サービスです。元恋人を見返したい、みんなに祝ってもらえる誕生日を演出したい、恋人と旅行中だと見せかけたいなどパターンは様々。

 

色々な代行

ビジネスは思いもしないところにアイデアが埋まっているものです。未発見の金脈が埋まっているのではないでしょうか。

 

謝罪代行

人生の中で、理不尽でもこちらが謝罪する場面はいくらでもあります。上司のフリや両親のフリなどで同席して、相手に謝罪をするビジネス。謝り方にコツなどあるとは知られていませんが、謝罪のプロはあらゆるテクニックで相手の怒りを静めます。自分が怒られなくていい、窮地を乗り切りたい、上司を連れてこいと言われたなど利用者の理由はさまざまです。

 

お叱り代行

耳触りのいいことはよく言われるけど、周りに叱ってくれる人がいないので逆に不安、喝を入れてほしい、叱られたい願望があるなどで利用されています。ファミリーロマンスのお叱り代行サービスでは、容姿、年齢、服装、口調の指定まで、こだわりのお叱りを実施しています。また、後輩や部下の叱り方のアドバイスも行っています。

 

ゲーム代行

アプリやテレビゲームのレベル上げ、素材集め、レアアイテムの獲得などを代行するサービス。eスポーツに向けて人材を採用する企業もあります。世界大会規模では、賞金総額23億円以上。日本国内でも1億円以上の大会があります。

 

代行ビジネスが台頭する理由

代行サービスは数えたらキリがないほどの種類があります。気付いていない内に代行のお世話になっているほどです。

例えば、

電子決済におけるコンビニ決済・収納も代行サービスです。非常に身近で便利なサービスです。生活に欠かせない代行サービスから、極端になりますが、人を呪うと謳う代行ビジネスも存在します。世界から見ても、ここまで代行サービスが幅広く存在して、充実している国は日本ぐらいではないでしょうか。

 

なぜ、最近になってここまで需要が高まったのでしょうか。

大きく2つの理由が考えられます。

1つは潜在的にニーズがあり、インターネットの普及でサービスの提供や集客が容易になったこと。

2つ目は、潜在的ニーズとは、日本のお寺の役割によるものではないでしょうか。

 

日本国内のお寺の数は約77,000、コンビニエンスストアの47,000店舗より多い数です。

お寺と言えば、葬儀や法要で関わるイメージですが、これほどの数がある理由は、江戸時代を振り返ると見えてきます。

檀家制度により、行政機関の権限や福祉、教育、文化の拠点であったお寺と地域住民の結び付きが強固であったことで発展しています。

 

檀家制度により、日本は寺院を介して助け合う精神「互助の精神」を発達させています。何かをしてもらえば、お礼にお金などを払うことが当たり前でした。

いっときの困ったことを助け合い、それに対してお礼をすることは受け入れられやすい土壌があったのです。

 

物ではなく、サービスに対しての価値を認める国民性が、現代でビジネスとして受け入れられ、インターネットの普及により、発展をしているのではないでしょうか。

代行サービスは、思いもよらぬ金脈がまだまだ埋まっている業界です。国民性や歴史を学ぶことでも、起業アイデアが浮かんできます。