慣れ親しんだ会社を離れ、独立をしていきたいと考えている人が昨今増えてきました。
現代は好不況の激しい荒波のなかにあり、生涯同じ会社に勤めたからといって必ずしも安定するとは限らなくなってきています。
そのような流れの中で、いつかは自分の力で収入を得て、生活をしていきたいと考えている人が増加傾向にあるのです。
独立とは一言で言ってもさまざまな困難が待ち受けます。
いざ独立をした人の中には、いかに自分が会社や組織というものに守られていたのか、それを痛感している人も少なくありません。そして挫折をしてしまうケースもよくあるものです。
せっかく勇気をもって独立という大きな一歩を踏み出したのに、大きな挫折をすることほどつらいものはありません。
ではどうすればそうしたケースを回避して、独立を成功させることができるのでしょうか。
そのために必要なのは綿密な“分析”です。丁寧に分析してはじめて、独立がうまくいくとしても過言ではないのです。
今回の記事ではこれから独立する人のために、具体的に何を分析し、どう分析していけば良いのかを紹介していきます。
これから独立する人に勇気が生まれて一層独立のために邁進できる、私はそう思っています。もちろんすでに独立をしたけどなかなか軌道に乗らない、そういった人のためにも役立つ記事となっているので、ぜひ最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
【独立と分析① 自分を分析する】
独立に対する熱量はどのくらいか。
独立で成功を目指す人は、ぜひ最初に自分の独立に対する熱量を知ってください。
こう言うと「これから独立をしたい」と思ってこの記事を読んでいるのだから、やる気に満ちあふれているよ、と思われる人もいるかもしれません。
ですが実際に心の中には不安がありますよね?
「もしかしたら失敗をしてしまうかもしれない」
「うまくいかなかったときに自分はどうなるんだろう」
そう考えるときもあったことと思います。
そうした不安は独立をしたら、より大きなものとなってつきまといます。
明日の生活さえも見通しがきかないほどの心配が押し寄せてくるかもしれません。
今独立に対して抱えている不安以上の不安が、独立後にはやってきます。
これは今は収入源が確保されていたり、生活環境の保証があったりしても、独立後にはそうした支えがなくなるのですからどうしても避けられないことです。
ただこの不安に飲み込まれてしまえば、当然ながら独立で成功を掴むことはできません。独立は何よりも本人のモチベーション。独立して収入を得て、生活をして、成功を掴んでいくんだという強い意思が必要不可欠な鍵です。
だからこそ、独立に対する「本当の熱量」というもの分析していく必要があります。本当に熱量があれば、この先困難が押し寄せても闘えるだけの準備はひとまず整っていると言えるからです。
自分の「本当の熱量」を知る。
ではどうすれば自分の「本当の熱量」を、自分で分析することができるのでしょうか。
それはあなたがあなた自身に対して「独立したあとにどうなりたいか」という質問に応えられるかどうかでわかります。
「独立してお金持ちになりたいのか」
「社会貢献がしたいのか」
「自由になりたいのか」
「もっと家族の時間を大切にしたいのか」
そうしたあなたが独立を目指す理由を改め、自覚するためにもあなた自身に対して言葉にして説明をしてほしいのです。
言葉にして説明できるかどうかによって、「本当の熱量」がわかります。
独立成功に不可欠な冷静な自己分析
独立で成功を掴んでいくために、まず「本当の熱量」を分析する。
自分が何を求めているのか見つめ直す。
この分析をすることであなたは自然に自分を知っていくことができます。これまでつちかってきたスキル、もともと持っている才能や性格などを分析できるようになっていきます。
この分析こそが、とても大切なのです。なぜなら自分ができることできないことを仕分けすることで、これから自分にとって何が必要なのかが明確化されます。
具体的な目標を立てることができるのです。
目標が決まれば計画が立てられ、実際に成果に向かって進んでいる実感を得られます。まさに独立において大切なモチベーションへとつながっていくのです。
「本当の熱量」を知るために自分に問いかけ、分析していくにあたって注意があります。
それは自分ができることとできないことの判断基準をビジネスに限定しないことです。一見すると独立やビジネスに関係がなさそうなことでもどんどんリストアップしてみてください。
独立後は実にさまざまな人とコミュニケーションを取る必要があります。
あなたが独立で役立つのかどうかわからなかった野球の知識を、これから知り合っていくクライアントが実は求めている可能性もあるのです。
そしてそこから仕事の幅が広がり、独立成功へと導かれる可能性もあるのです。だからどうか先入観を持たずに、自分をとことん整理するという意味で分析を行ってほしいと思います。
【独立と分析② 他者を分析する】
周囲の人を分析しよう
独立を成功させるためには、自分の分析以上に他の人を分析することがとても重要になってきます。
独り立ちと書く独立ですが、会社で築き上げてきた人間関係よりもはるかに手広く、深く人間関係を作っていくことが大切です。
人間関係を通してビジネスが生まれ、収入源が生まれ、あなたの収入が生まれていくからです。
いかに人間関係を紐解くことができるか、そこに成功の鍵が眠っています。
しかしどう分析をしたら良いのか、いきなりだと難しい部分もあると思います。独立成功の分析では、周りの人を「顧客」「支援者」「助言者」にわけます。
すなわち誰があなたのお客さんになり、誰があなたの独立に協力をし、誰があなたに良きアドバイスをしてくれるのか、見極めていくのです。
「顧客」は誰か
言わずもがな、ビジネスにおいては「顧客」はなくてはならない存在です。
顧客がいるからお金が生まれ、お金が動くからあなたのビジネスは成り立ちます。独立成功のベースになる顧客のための分析は、独立前から必ずやっておかなければいけません。
もしもあなたがフリーライターになるのであれば、相手は企業や個人経営の人。地元密着型のパン屋を経営するのであれば、近所の住民たちとなるでしょう。
これから独立する人の中には、実はこの顧客像をあまり想像していない人がいます。自分のスキルやビジネスアイデアにばかり気が取られてしまって、大切なことを見落としてしまっているのですね。
当然ながらそうした人たちが独立を果たしたとしても、そのビジネスに対して顧客がついてくることはありません。誰に向けたビジネスなのか、周りの人が判断できないからです。
こうした失敗をしないためにも、具体的な顧客像の分析がとても大切になってきます。そしてそのときに自分の周りにいる人の中に、自分のビジネスの顧客になりうる相手を見つける分析をあわせてしてください。
そうすればあなたは独立する前から、その人をモデルとしてビジネスを見てもらい、実際の評価を得ることができます。
独立前に試運転ができ、不備がないかどうかを見れる貴重な経験ができるのです。だからこそ自分の周りにいる人の中で顧客となりえそうな人を分析することはとても大切なのです。
良き「支援者」を見つけるために
独立して成功を掴み損ねてしまう人の中には、「全部を一人でやろうとした人」がいます。
確かに独立では、実にさまざまなスキルが要求されます。これから勉強しなければならないこともたくさんあります。
でもどうしてもできないこともあるのです。
どうしても苦手だったり、時間を作ることができなかったり理由はいろいろありますが、すべてを万能にこなせる人は絶対にいません。
むしろ得意分野に得意な人を割り当てるのはビジネスにおいて生産性が高いとされています。
それは独立前でも独立直後でも言えることです。だから自分のビジネスに対して誰か協力してくれそうな人を集うことはとても大切なことです。
間違っても雇ってはいけません。快く無償に近い形で受けてくれる人を探してください。
そのためにも周りの人の分析が大事なのです。もしも会社勤めしているのであれば、職場の人が良きサポーターになってくれる可能性が高いです。
独立をする際に円満退社がとても大事だとよく言われるくらい、あなたのビジネスに興味を示してくれる人がいる確率が高いのです。
アドバイザーを見つけるときの注意
独立の「助言者」には、さまざまな種類があります。
同じビジネスアイデアで独立を果たして成功をした人もいれば、今まさにあなたと同じタイミングでビジネスを始めようとしている人もいます。
こうした人たちとコミュニケーションを取れば知識も豊富になり、モチベーション向上の刺激も得ることができます。
ただし注意してほしいことがあるのです。
それは良きアドバイスを得るためには、しっかりとした下準備が必要ということです。助言者は立場が異なれば、持っている知識も異なります。
その人の話を一番聞き出しやすいように、こちらも尋ねる話を整理しておかなければいけません。
曖昧なまま助言を求めても、曖昧な答えしか返ってきません。
セミナーに足を運んでばかりで独立がうまくいかない人の原因の一つにはここにあります。聞く相手をしっかりと分析することが、成功に直結する助言を得るコツです。
以上、独立成功のために自分と他者の分析が必要である、というお話でした。これから独立を目指すあなたが少しでも成功に近づくように私も心から願っています。